外に出かけるのがおっくうになる暑さがやってまいりました。お出かけしたいけど、遠出するより近場で済ませたいと思う方も多いのではないでしょうか。
近鉄奈良駅から徒歩5分(JR奈良駅から徒歩10分)のところに、都会の騒がしさから離れて、ゆっくりとした時間を過ごすのにぴったりの場所があります。三条通りの路地裏にあるカフェ、その名も「絵本とコーヒーのパビリオン」(奈良市今辻子町)です。奥まったところに位置しているので、初めて訪れる人は「本当にここで合ってるの?」と少し迷うかもしれませんが、この“隠れ家感”がまたいいですね。
おしゃれなポット型の看板が目印。中に入ると、レトロ感のあるインテリアが目を引きます。お店に並んでいる本はどれでも自由に読んでOK。気に入った本を購入することも可能です。日本語のみならず、外国語で書かれた本も多数そろっています。一般書もあるので、絵本をあまり読まない方でも心配いりません。
「絵本とコーヒーのパビリオン」を営んでいるのは、マスター・大西正人さんと千春さんご夫婦。約20年前に、絵本のオンライン販売サイトを運営していた千春さんと、いつか自分の店でコーヒーを出したいという夢を持っていたマスターの正人さんが意気投合し、2009年に古民家を改装してオープンしました。
子どもや孫を連れてくる方や、物書きの方、持ち込みの本を読まれる方など、カフェを訪れるお客さんの年齢層は幅広いです。Googleレンズなどのアプリの翻訳機能を使って海外の絵本を読むのが、イマドキの新常識なんだとか。Google Mapでカフェを見つけてやってくる観光客は、自分の国の言葉で書かれた絵本を見つけると「何でこの本がここにあるの!?」とびっくりされることもあるそう。国籍を問わず、立ち寄った人たちの憩いの場となっています。
お店を開く前は、海外旅行に行く度に絵本の買い付けをしていたそうですが、お客さんのリクエストもあって、今では日本語の絵本が中心に。これまで買い付けた海外の絵本は、お店とオンラインサイトで販売が続けられています。また、絵本に加えて一般書の販売も行っていて、主にマスターがセレクトした本が店頭に並んでいます。大西さんご夫婦は、非常に物知りで、いろんなことに興味関心を持たれているので、読みたい本がわからないときは、ぜひお二人に聞いてみてください。ピッタリの一冊を見つけてくれるはずです。
絵本とコーヒーのパビリオン」のもう一つの軸である“コーヒー”は、マスターの思いがたくさん詰まっています。コーヒーのことになると話が止まらなくなるマスターですが、最初からコーヒーが好きだったというわけではないようです。ほかの喫茶店で働いているうちにコーヒーの魅力に徐々にハマっていき、“自分の店を出したい”と思うまでに至ったといいます。
マスターがコーヒー店開業を目指した頃は、今のようにネットで情報が入手できず、ほかの店のコーヒーを飲んで勉強したり、メーカーに出向いて教えてもらったりするしかなかった時代。そんな時代から知識を積み重ねていますが、まだまだ学び足りないくらいコーヒーの世界は奥深いといいます。
お店で出している自家焙煎(ばいせん)コーヒーは「青(中煎り・500円)」「赤(中深煎り・500円)」「黒(深煎り濃い目・600円)」の3種類。どれを選んだらいいかわからない方は、ぜひマスターに聞いてください。マスターが話を丁寧に聞きとって、おすすめの一杯を出してくれます。コーヒーのカウンセリングが受けられるのも、個人店ならではの魅力のひとつですね。※表示価格は全て税込
コーヒーと一緒にぜひ食べていただきたいのは「プリン」です。マスターのお母さん直伝のレシピで作られたプリンは、ふわふわ系、やわらか系ではなく、今若い人たちの間で流行っている昭和感漂う“固めプリン”となっています。キャラメルソースは、ドロっとしていなくて、さらっとしています。低温で長い時間煮ているので、苦みより甘味が引き立っていて、プリンとの相性がいいです。
オープン当初からプリンを出していましたが、当時は売れ残りをご夫婦で食べることが多かったそうです。プリンブームの影響もあってか、4〜5年前から注文が多くなり、最近ではプリンが食べられないことが悲しい、と少し嘆いているご夫婦がまたかわいい…。
ランチ限定(12:00~14:00)のトマトチキンカレー(サラダ付き・¥950)や、お菓子、ケーキなどがあり、小物アクセサリーも販売しています。近鉄奈良駅とJR奈良駅のどちらにも近いので、奈良観光を終えたあとにひと休みしたい方はぜひ一度お立ち寄りください。
絵本とコーヒーのパビリオン
住所:奈良市今辻子町32-5
営業時間:木~日・祝 12:00~18:00(17:30 L.O.)
https://pavilion-b.ocnk.net
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