「できるだけ時間をおいてから食べていただきたいです。すぐ食べるのと1日寝かせるのでは味がまったく違います」と店主の水本さん。
昔は、サバが取れた熊野から吉野まで運ぶのに3~4日間かかりました。その間にうまみ成分が凝縮されたサバを薄切りし、すし飯の上に乗せ、柿の葉で包んだものを大きな杉箱にひとつずつ入れ、重石を置いて、1日寝かせてから食べられてきた歴史があります。
そのため、作りたてだと、すし飯、塩サバ、柿の葉の風味の3つがバラバラで調和が取れず、塩味もきつく感じられるのです。ひとつずつ詰めて押すことにより、めしの余分な空気が抜け、めし・塩サバ・柿の葉が一体になり、さらに1日寝かして味がよくなじんだ頃に食べるのが最もおいしいのだとか。
同店では、2~3日目でもおいしく食べられるよう、水本さんが吟味した国産米を使用し、鮮度が落ちないよう精米から1週間以内の米を使っており、サバも旬の時期に水揚げされた、ひょうたろう専用のサバを使っています。
諸説ありますが、江戸時代から先人たちの知恵が詰まった柿の葉すし。冷蔵庫もなく、物流も発展していない時代に海のない奈良県民が海産物を食べるための工夫がいっぱいです。
「なにかと作りたてがおいしい現代ですが、気持ちだけでも少しタイムスリップして、すぐ食べるのではなく、寝かせて待って、味だけではなく、柿の葉すしの歴史背景も知っていただければうれしいです」(水本さん)
柿の葉すし ひょうたろう
住所:奈良県吉野郡吉野町吉野山429
TEL:0746-32-3070(受付時間:9:00~18:00)
営業時間:9:00~16:00 ※品切れになり次第終了
定休日:4月の観桜シーズン期間は無休(それ以外は、毎週月曜日)
11月・12月は毎週月曜日(月曜日が祝日の場合、翌営業日が定休日)
上記以外は毎週月・火曜日(月・火曜日が祝日の場合、翌営業日が定休日)
公式HP:
https://hyoutaro.com/