万博で「世界で一つだけの押し寿司」大阪伝統の味「箱寿司」作りを体験

2025.09.26

万博で「世界で一つだけの押し寿司」大阪伝統の味「箱寿司」作りを体験
大阪・関西万博の「ORA外食パビリオン宴 ~UTAGE~」内にある体験ブース「宴ラボ」で、大阪伝統の押し寿司「箱寿司」を自分で作れる無料体験が行われていると聞き、さっそく取材に行ってきました。

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体験予約できなくても、箱寿司などを購入することができます(9月26日撮影、大阪・関西万博)

体験予約できなくても、箱寿司などを購入することができます(9月26日撮影、大阪・関西万博)

この体験を提供しているのは、大阪府堺市に本社を置く水産物専門店「大起水産」です。その名も「大起水産の大坂箱寿司体験〜世界でひとつの箱寿司をつくろう〜」。親子連れや観光客にも好評だといい、予約開始(希望日の3日前の午前0時)からわずか数分で満席となるほどの人気だそう。
「箱寿司」とは、木枠に酢飯と具材を詰め、上からしっかりと押して固める「押し寿司」の一種です。明治時代に大阪で誕生し、時間が経っても崩れにくく、味がなじむため、手土産や芝居の合間に食べる弁当としても親しまれてきました。
アート作品を作る気持ちで色とりどりの押し寿司を箱に詰める筆者(9月26日撮影、大阪・関西万博)

アート作品を作る気持ちで色とりどりの押し寿司を箱に詰める筆者(9月26日撮影、大阪・関西万博)

■美しく詰めて、ギュッと押す 大阪の「押し寿司」

「箱寿司」とは、木枠に酢飯と具材を詰め、上からしっかりと押して固める「押し寿司」の一種です。明治時代に大阪で誕生し、時間が経っても崩れにくく、味がなじむため、手土産や芝居の合間に食べる弁当としても親しまれてきました。
スタッフの人の説明を聞きながら、箱寿司を作っていきます(9月26日撮影、大阪・関西万博)

スタッフの人の説明を聞きながら、箱寿司を作っていきます(9月26日撮影、大阪・関西万博)

体験では、参加者全員が法被を着て、まるで寿司職人のような気分に。テンションも自然と高まります。まずは、ノルウェー産のオーロラサーモン3枚と酢飯を型に詰め、スタッフの説明に従いながら、参加者全員で「おいしくなぁれ♡」とおまじないをつぶやきながら、全体重をかけて押します。仕上げに、あらかじめ切られた焼き鯖(さば)、穴子、海老、厚焼き玉子、そしてサーモンを彩りよく並べ、箱に詰めていきます。
席に用意された具材や道具(9月26日撮影、大阪・関西万博)

席に用意された具材や道具(9月26日撮影、大阪・関西万博)

完成した箱寿司は、見た目にも美しく、まるでアート作品のよう。「どんな模様にしようかな」と考えながら作るひと時、寿司というよりも、一つの作品を仕上げていくような感覚でした。
型にサーモンを入れます(9月26日撮影、大阪・関西万博)

型にサーモンを入れます(9月26日撮影、大阪・関西万博)

■詰め方次第で個性が光るのも魅力

完成した押し寿司は、専用の折箱に詰めて持ち帰ることができます。ネタの配置や色の組み合わせで、一つひとつまったく違う見た目になるのがこの体験の魅力です。
自分で作った「世界に一つだけの箱寿司」がなぜか妙に愛おしく感じられるのも不思議なところ。
完成後は、会場内の専用フォトスポットで撮影もできちゃいます。万博公式キャラクターの「ミャクミャク」が座敷でコタツ、ならぬ箱寿司を囲む写真は、なかなかにシュール(笑)。写真映えも間違いなしです!
ミャクミャクがコタツならぬ、箱寿司を囲むユニークな写真が撮影できるフォトスポット(9月26日撮影、大阪・関西万博)

ミャクミャクがコタツならぬ、箱寿司を囲むユニークな写真が撮影できるフォトスポット(9月26日撮影、大阪・関西万博)

■大人も子どもも、寿司の魅力を再発見

体験中は、大人も子どもも夢中で寿司づくりに取り組んでいました。自分で作ってみることで、箱寿司の奥深さや工程の丁寧さに気づかされます。
万博に20回以上足を運んでいるという“万博ガチ勢”の女性参加者は、「箱寿司を作るのは初めての経験で、とても楽しかった」と満足そうに話していました。
自分が作った箱寿司と大きなマグロを持って記念撮影をする参加者(9月26日撮影、大阪・関西万博)

自分が作った箱寿司と大きなマグロを持って記念撮影をする参加者(9月26日撮影、大阪・関西万博)

大起水産の広報担当者は、「大阪の箱寿司を体験することで、まずは箱寿司について知ってもらい、味わっていただきたい」と話していました。

■作ることで、大阪の味と心に触れる

うれしいことに、箱寿司体験を通し、日本が誇る和食文化とおもてなしの心を学んだという「修了証書」もいただいてしまいました。万博会場の中で、こうした伝統文化に気軽に触れられる機会は貴重です。「食べる」だけでなく「作る」ことで、より深く大阪の味と心に触れることができるのも、この体験の魅力です。
修了証書も付いてくるサプライズも(9月26日撮影、大阪・関西万博)

修了証書も付いてくるサプライズも(9月26日撮影、大阪・関西万博)

体験は、10月13日まで。所要時間は約30分。11時から1日18回開催。定員は各回10名、小学生以上が対象です。完全予約制で、希望日の3日前から「大起水産公式サイト」または「宴〜UTAGE〜」イベント一覧ページで受け付けています。
法被を着ると、気分は寿司職人!?(9月26日撮影、大阪・関西万博)

法被を着ると、気分は寿司職人!?(9月26日撮影、大阪・関西万博)

なお、体験予約がとれなかった方にも朗報があります。体験ブースに併設する宴ショールームでは、「色が変わる!?ミニねぎまぐろ丼」(500円)や、箱寿司・海鮮すし箱・サーモンいくらすし箱(各1180円)なども販売されています。
箱寿司は、見た目の美しさと食べる楽しさ、作る面白さの三拍子がそろった大阪の食文化の粋。万博という特別な舞台で、世界に一つだけの箱寿司作りに挑戦してみては、いかがでしょうか。
西部マキコ エンタメライター。初出の話を引き出すインタビューが得意。いま、ハマっているのは、大阪・関西万博とUSJ。万博閉幕まで1か月を切って、すでにロス気味。
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