秋は食事で潤いを―おうちでできる薬膳料理レシピ・前編―
2024.09.30
空気の乾燥が体とこころの不調につながることもあるようですよ。
そこで薬膳の登場です。
コツをつかめば、スーパーで手に入る食材を使って、誰でも簡単に家庭で薬膳料理ができます。体にいいものをおいしく食べて内側からメンテナンスしましょう。
薬膳食療法専門指導士や予防医学食養生士などの資格を持ち、日本酒と和薬膳のお店「ソラマメ食堂」(大阪市北区南森町)の店主でもある、森下しのぶさんにお話を聞きました。
秋は陽と陰の気が入れ替わる季節・・・気分の落ち込み、乾燥がトラブルのもと?
中医学でよく使うのが「邪気」という考え方です。病気の原因となるものですね。秋は乾燥の邪気「燥邪」によって特に肺が影響を受け、体調を乱しやすくなります。空気の乾燥によって肺が弱りやすい季節です。
乾燥によって肺が弱ると人は悲しみやすくなると中医学では考えられています。なので秋は誰しもが悲しみモードに入りやすくなるんです。中国では秋の過ごし方として「早寝早起き。心安らかに、陽気をひそめて過ごすべき」という古い教えもあるくらいです。
肺は呼吸器なので、秋になると空咳がでる、のどがカラカラする、声が出にくいといった乾燥によるダメージのサインが出やすくなります。毛穴には肺と同じ機能があるのでお肌にも症状が出やすくなります。肺と同様にお肌も乾燥してくるのが秋です。
また大腸は肺の影響を受けるため、肺が乾燥すると大腸も乾燥すると考えられています。大腸が乾燥すると便の水分が奪われて固くなり、その上、肺が持つ「下すエネルギー」が弱まるので便秘になりやすくなります。
秋は白い食材に少し辛味をたして
秋は白い食べものがいいです。
豆腐、豆乳、大根、ゆり根、レンコン、ナッツ類、白菜、かぶなど。白い食材が肺を潤します。秋のフルーツ、例えばイチジク、ナシ、柿、ブドウなどもうるおい補給にいいですね。
薬膳は味にも効能があると考え、甘酸っぱい食べ物がいいです。桃、クコの実、酢の物、お寿司、白ご飯に梅干しという組み合わせは甘酸っぱく、うるおい補給になりますね。
寒さが増してくる晩秋は、温めて辛みを足しながら潤すといいです。
辛い物で発汗を促し、毛穴が開きやすい状態にするのがいいですね。毛穴は邪気(ウイルスなど)を追い出す機能があるのに、急に寒くなるとキュッと閉じたままになり、外から侵入してきたウイルスを体の外に排出しにくくなります。
冷ややっこにネギやショウガといった辛みを足したり、鍋料理を食べる時には柚子胡椒を添えることなどもおすすめです。フルーツはシナモンパウダーをかけたり、お肉と一緒に煮るなどして温めながら辛みを足して食べるのもいいですね。
でも辛すぎるのは逆効果です。
辛い物は取りすぎると熱に変わって、肺を乾燥させてしまいます。秋は潤したいので温める程度にとどめておいてくださいね。
季節のフルーツ、梨を使った料理を紹介しますね。
「梨のアーモンド入り白和え」と「豚肩ロースと梨と白菜の無水煮」です。どれも簡単にスーパーで手に入る食材を使って短時間でできるメニューです。
梨のアーモンド入り白和え
① 豆腐はキッチンペーパーでくるみ、重石をして水抜きをする(30分ほど)
② 鍋にアーモンドダイスを入れ焦げないように空炒りをする(予熱でも焦げるので注意)
③ フードプロセッサーに①と白胡麻ペースト、きび砂糖、メイプルシロップ、塩を入れよく撹拌する(フードプロセッサーがない場合はすり鉢でもOK)
(すり鉢の場合はちょっと腕がつかれる…)
④ 梨は皮をむき小さめの一口大に切り揃え、ボールに入れ②と③と一緒によく混ぜ合わせる
⑤ 仕上げに粗挽き黒胡椒を散らす
https://miyoca.jp/eat/904
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