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突然揺れるゴンドラに思わずドキッ、密室の観覧車で語る怪談

2025.08.17

突然揺れるゴンドラに思わずドキッ、密室の観覧車で語る怪談
ゴンドラの閉じられた空間で怪談話を聴くイベント『コワい観覧車』が、万博記念公園のEXPOCITYにある「OSAKA WHEEL(オオサカホイール)」で開催中。暑い夏にゾッとできると聞き、体験してきました。
全高123mある日本一の大観覧車というだけあって、1周が約18分かかるオオサカホイール。その時間は逃げられない密室となることから、これまでも『地獄のゾンビ観覧車』などホラーイベントが例年人気を集めてきました。

その最新作が、7月にスタートした怪談企画。広報の森田さんによると、「怪談を聞かないと寝られない、というほど怪談好きな社員が企画して実現しました」とのこと。普段あまり怪談を聞かない私にとっては、期待と恐怖心が半々です。

■密室のゴンドラで聴く、マニア垂涎(すいえん)6人の怪談

冷房の効いたゴンドラに乗り込むと、カーテンのかかった薄明かりの空間に、鏡とろうそくのオブジェの前に小さなモニターが設置されています。6人まで同乗でき、それぞれに用意されたヘッドホンを装着すると、耳元で「ゴンドラの扉は閉められました」と告げられ、恐怖の18分間が始まります。

1周で聴く怪談話は、怪談師3人・各1本の全3本。奇数日と偶数日で3人が入れ替わり、月によって話者の組み合わせもタイトルも変わります。「どうしてもお願いしたい怪談師の方々に声がけして、今回の6人がここでしか聞けない話を用意してくださいました」と森田さん。
登場する怪談師は、「事故物件怪談 恐い間取り」の著者・松原タニシ、怪談ライブBarで年間1100ステージ以上の怪談を話すスズサク、『稲川淳二の怪談グランプリ』(カンテレ)優勝をはじめ数々の受賞歴があるはやせやすひろ、テレビ出演も多い怪談研究家の吉田悠軌、“いわく付き”の品々を収集するオカルトコレクター・田中俊行、多くの怪談本を手掛ける怪談師の夜馬裕(やまゆう)。

私が聴いた7月のタイトルは、昼休憩中に店番をしていた女性が体験した「くつした」、倒れた女性を助けた後日談「首ひょこひょこ女」、タクシーの運転手から聞いた「赤い玉」、木陰の多い公園で見てしまった女の子の「砂遊び」、社員寮でかかった金縛りの理由が恐ろしい「屋根裏部屋」、タバコ休憩をしていると出会った「みてみて」、と語り口調やネタ元もさまざまな怪談を聞くことができました。

各怪談師の元に寄せられた不思議な体験談をあたかも目の前で起きている出来事のようにリアルに語りかけられ、ささやき声もはっきり聴こえるヘッドホンはもちろん、身体全体で恐怖を感じる工夫が施されていて、終始ドキドキしながら聴き入ってしまいました。

■怪談初体験でもあっという間の約18分×2周

この日は少し風がきつい天候だったこともあり、意図せず怪談の途中でグラッと揺れて少しドキッとする瞬間も。森田さんいわく、「車椅子の方が乗る場合はいったん回転を止めるので、あれも演出かと思った、と驚かれる方もいらっしゃいます」と、場合によっては想定外の出来事もあるかもしれません。

1周の料金は1,500円、プラス500円を追加すると、2周連続でお得に乗ることができて時間にすると約40分。挑戦前は少し長いかと思いましたが、どの怪談もヒヤッとするおもしろさで意外にもあっという間に過ぎました。

森田さんも、「ゾンビ企画は家族連れの方も多かったのですが、今回はカップルさんが多い印象です。お得に体験できるならと、2周コースを選ばれる方も増えてます」と話します。

体験が終わりゴンドラを降りると一番怖かった話を選んで投票でき、イベント終了時には“最恐怪談師”が決まるとのことで、森田さんが「想像以上に多くのファンの方にお越しいただいており、うれしかったです」というほど、推し怪談師の話を聴きに多くの人が足を運んでいるようです。

期間は2025年9月30日(火)まで、営業は季節によって異なり、現在は昼11:00〜夜22:00(最終受付21:40)。コワい観覧車用ゴンドラは4台あり、約5分に1台の運行で、チケットは1周1,500円/名、2周乗車のフル体験チケットは2,000円/名。予約など詳細は公式サイトにてご確認ください。

『コワい観覧車~18分間の密室怪談~』
日程:2025年7月1日(火)~9月30日(火)
会場:OSAKA WHEEL(大阪府吹田市千里万博公園2-1 EXPOCITY内)
料金:1,500円/名、6話フル体験2,000円/名
https://osaka-wheel.com

取材・文:武並慎治(di;hype)
関西在住のWebディレクター&編集者。週末は必ず「どこかに連れて行って」と家族から泣きつかれ、自動車で日帰りできる範囲で遊べるスポットを探し中。

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