世界的なミューラル・アーティスト「COOK」制作の巨大壁画が大阪・松原市に誕生！

ミューラル（mural）とは、建物や洞窟の壁や天井などに描かれた絵画のことで、街を彩る大規模なアート作品を指します。ミューラルいうとなじみのない言葉のように感じますが、直訳すると壁画を意味し、古くはバチカン市国のシスティーナ礼拝堂に描かれたミケランジェロの傑作「最後の審判」や奈良の高松塚古墳壁画がミューラルにあたります。

現代でいうミューラルは、シャッターやビル外壁、塀などに施されたものが多いです。正体を明らかにせずに活動している路上芸術家・バンクシーは無許可で民家の壁などに絵を描いていますが、ミューラルは、所有者の許可、同意を得て行われるアート行為で、まちづくりの一翼を担ったり、観光スポットを生み出し、そのエリアのカルチャーをアピールするために活用されることが増えてきました。

大阪府松原市は、地元出身のスケートボーダー・西矢椛選手が東京2020オリンピック・スケートボード女子ストリート種目で金メダルを獲得したことをきっかけに「スケボーのまち まつばら」を掲げ、地域の魅力発信やにぎわい創出を目的としたまちづくり事業に取り組んでいます。その取り組みの一環として、昨年4月にオープンした「おくさま印スケボーパーク」の外壁に巨大ミューラルを制作しました。

巨大ミューラルを担当したのは、大阪出身でロサンゼルスでの活動経験を持つミューラルアーティスト、グラフィティアーティストとして活動しているCOOK（クック）さん【Instagram】。ストリートの枠を飛び出し、adidasやアパレルブランドとのコラボなど、その活動は幅広く、本場アメリカにおいても高い評価を得ています。

COOKさんの作品には、ポップでかわいいキャラクターがたくさん出てくるのですが、今回の作品は、COOKさんの“分身”ともいえるオリジナルキャラクター「COOKちゃん（クックちゃん）」が一面に大きく描かれています。

――これまで制作した主な作品について教えてください。
・アメリカで描いた鉄腕アトムとのコラボ壁画

・ロサンゼルスのデリシャスバイナル経営のデリシャスピザの内装、外装

──今回の作品の制作過程について教えてください。

・どのように着想を得ましたか？
ストリート感と公式にスケボーできる場所というメッセージを念頭において、デザインを考えました。自分のキャラクターがプッシュをしているところをメインに持ってきてステッカーやスプレーで描いたラインを入れたり、標識を入れることでストリート感を出しました。

・制作の過程での苦労はありましたか？
足場屋さんの完璧な足場と、アシスタントしてくれたマリヤ、サモン、カズ、ペンキ屋さんのたくみ、それと今回キュレーションしてくれたWALL SHAREのおかげでスムーズに進みました。

・こだわりや裏話があれば教えてください。
松原のスケートパークがここにあるよ！って目立つように描きました。松原市の粋な計らいで反対の車線から視界をふさいでいた木やフェンスのツタなどを排除していただいてものすごく壁が見えるようになりました。ありがとうございました。

──今後、やりたいことや将来へのビジョンなどがあれば教えてください。
来年は国外に積極的にアプローチしていきます。
展示会・壁画、それ以外のアートにもチャレンジしていきたいです！