一般来場者数100万人を突破するなど、大きな盛り上がりを見せている大阪・関西万博(主催:2025年日本国際博覧会協会)。ゴールデンウィーク期間に突入し、来場者の増加が見込まれています。既に一度会場を訪れた方は、敷地の広さと人の多さ、そして巨大なパビリオンたちに圧倒されたことでしょう。
2か月前抽選や7日前抽選で(第1〜5希望まで申し込み可能)当選するのはそれぞれ最大1枠のみ。せっかくなら、抽選は本当に必要なパビリオンだけにして、予約なしで入れるものは外しておきたいところです。
パビリオン・イベントの事前予約について:
https://www.expo2025.or.jp/news/news-20250313-05/
ポルトガル館は、事前に予約しなくても比較的スムーズに入れるパビリオンのひとつで、SNSでも予約なしで入れたという声がたくさんありました。
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波をイメージした約1万本のロープがなびくパビリオン
ポルトガル館の建物は非常に特徴的な形をしていて、約1万本のロープが太陽の光と風を受けて揺らめく姿は、波そのものを表現しています。建物のデザインを手掛けたのは、建築家・隈研吾さん。ポルトガル館の館長、ベルナルド・アマラルさんによると、建物の78%がリサイクルもしくはサステナブルな素材を使用していて、ロープは、日本とポルトガルの芸術家たちのコラボを経て、日本各地に寄贈する予定とのこと。
レストラン「MAR DE PORTUGAL」は予約なしでも可
何より気になるのは、連日大行列になっている併設のレストラン「MAR DE PORTUGAL(まるでポルトガル)」。予約なしでも入れますが、平日・土日問わず多くの人で賑わっているので、長時間待たずに入りたい方は予約がおすすめです。※表示価格は全て税込
テーブル予約のメールはこちら:reservation@mardeportugal.com
レストランのスタッフにぜひ食べて欲しい料理として挙げられたのは「バカリャウ(干しダラ)とブロア(とうもろこし粉パン)」そして「ラガレイロ風タコ」。
「バカリャウとブロア」は、国民的な食材であるバカリャウとタマネギ、ジャガイモ、ケールなどを一層ずつ重ね、最後に粉々に砕いたブロアをトッピングしてオーブンで焼き上げた料理。干しダラの塩味が全ての食材を包み込んでいて、とうもろこし粉パンと野菜との一体感が絶妙です。
「ラガレイロ風タコ」は、生ダコをゆでて、軽くつぶしたジャガイモと一緒にたっぷりのオリーブオイルをかけてオーブンで焼いた料理。日本のタコとは違う、ねっとり柔らかい食感にびっくりすると思います。何よりジャガイモが最高においしいです!
どの料理もワインが欠かせない料理となっていますが、おすすめは「サマレ NV」(グラス:900円、ボトル:5,400円)「コップ ブランコ スーペリア 2022」(グラス:950円、ボトル:7,300円)「カンポ ド ポラル 2023」(グラス:1,000円、ボトル:7,500円)の3つの白ワイン。どれも、ポルトガル産白ワインの代表格である「ヴィーニョ・ヴェルデ(Vinho Verde)」で、海鮮料理との相性が良いとされています。
ポルトガルの歴史、発展、そして“持続可能性”
ポルトガル館のテーマは「海、青の対話(Ocean: The Blue Dialogue)」。館内の展示は5つの島に分かれていて、1つ目の島は、1543年にポルトガル人のヨーロッパで初めて日本の種子島漂着について、2つ目の島では、南蛮屏風を元に作られたアニメを通して、日本とポルトガルの貿易の様子について説明しています。
3つ目の島では、「カラメル(キャラメル)」や「コップ」など、ポルトガル語の影響を受けた250以上の単語の中からいくつかを映像や音声、文字で多角的に表現しています。ベルナルドさんによると「天ぷら」もまたポルトガル語由来の単語の代表例だといい、語源となっている「テンペロ(tempero)」とは、塩やペッパー、スパイスなどの調味料を入れて調理することを指すようです(諸説あり)。そして、その調味料もまた、大航海時代にポルトガルの船員たちが北インドから日本に持ち込んだとされています。
4つ目の島では、ポルトガルの排他的経済水域(EEZ / Exclusive Economic Zone)で行われている経済活動について、5つ目の島では、ポルトガルの海洋保護の取り組みについての紹介がされています。マデイラ諸島などたくさんの島を抱えるポルトガルはなんとヨーロッパの48%の海を占有している海洋国家。1971年、ポルトガルはセルバージェンス諸島自然保護区を設立、同年にオスロ条約(船舶や航空機からの有害物質の海洋投棄による汚染防止を目的とする条約)の現加盟国として署名するなど、海洋保護に比較的に早い段階から取り組んでいます。ポルトガル最古の保護区で唯一の国立公園「ペネダ=ジェレッス国立公園(Parque Nacional Peneda-Gerês)」もこの年にできました。
5つの島を巡った後は、巨大なスクリーンに映し出される約5分間の映像が待ち受けています。とてもわかりやすく、メッセージ性の高い作品となっていて、海の偉大さと大切さを訴えています。映像は壁面だけでなく、床にも映し出されるので、まるで波が足元まで押し寄せてくるような感覚になります。
映像が流れる空間を抜けた先には、グッズショップがあります。ポルトガルの伝統を感じる雑貨やデザイン性の高い小物まで、種類豊富なラインナップがそろっています。一番人気は、ポルトガル・スペインの伝統的なタイル「アズレージョ(azulejo)」を模ったアロマの香りがするマグネット。ほかにも、イワシ型の陶器の置き物やピンバッジなどがよく売れているそうです。
2階のテラスでは、不定期で演奏会やコンサートが開かれているほか、レストランわきにあるイベントスペースでは、2〜3日ごとにポルトガルの文化や芸術に関連する催しが行われています。また、5月5日(月)は、大阪・関西万博におけるポルトガルのナショナルデー。音楽、芸術、建築を特集したプログラムが予定されています。イベントスケジュールは、ポルトガル館の公式情報サイトにて、定期的に更新されているので、気になる方はチェックしてみてください。
ポルトガル館 公式情報サイト:
https://portugalexpo2025.pt/jp
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