大阪・泉佐野へ大阪・関西万博のイチョウの木が移植、市長からの打診で実現した“完全な形” で移築される唯一のシグネチャーパビリオン

大阪・関西万博の夢洲会場から移植されたイチョウの木(泉佐野丘陵緑地・2026年6月)

大阪・関西万博の夢洲会場から移植されたイチョウの木(泉佐野丘陵緑地・2026年6月)

2025年 大阪・関西万博のシグネチャーパビリオンのひとつ「Dialogue Theater – いのちのあかし –」が、泉佐野市への移築を決定。パビリオンの移築に先立ちシンボルだったイチョウの木が移植され、その記念式典が2026年6月14日(日)に「泉佐野丘陵緑地」(大阪府泉佐野市)で開催されました。
記念式典に参加した河瀨直美監督や石毛博行事務総長、関西経済連合会の松本正義会長ら(泉佐野丘陵緑地・2026年6月)

記念式典に参加した河瀨直美監督や石毛博行事務総長、関西経済連合会の松本正義会長ら(泉佐野丘陵緑地・2026年6月)

映画作家で映画監督の河瀨直美氏が手掛け、対話を通じてあらゆる解決を試みる実験の場として来場者に気づきを与えたパビリオン「Dialogue Theater – いのちのあかし –」。その建物は、京都・福知山市の「旧細見小学校中出分校」と奈良・十津川村の「旧折立中学校」の校舎を移設し、リノベーションされました。
その万博のレガシーを引き継ぐために、パビリオンがまるごと泉佐野市に移設。2028年の完成に向けて準備が進むなか、推定樹齢100年以上の高さ14メートルにおよぶ大きなイチョウの木が、建物より先に同じ公園内に移植されることになりました。
移植されたイチョウの木をひと目見ようと多くの人が足を運びます(泉佐野丘陵緑地・2026年6月)

移植されたイチョウの木をひと目見ようと多くの人が足を運びます(泉佐野丘陵緑地・2026年6月)

この木は建物が夢洲の万博会場に移築する際に伐採される予定だったものを、「イチョウの木に会いに行った翌日の朝、涙を流しながら目覚めて…。この涙は“イチョウが切らないでって言ってるんだな”と私なりに解釈して、なんとか切らない方法はないのかと訴えた」と河瀬監督は説明。スタッフの協力でパビリオンの横へ移植できたといいます。
イチョウの木の移植が終わりホッとした表情の河瀨直美監督(泉佐野丘陵緑地・2026年6月)

イチョウの木の移植が終わりホッとした表情の河瀨直美監督(泉佐野丘陵緑地・2026年6月)

今回の移植に関しても万博閉幕後に受け入れ団体が現れなければ伐採することになっていたところ、ギリギリになって「(泉佐野市の)千代松(大耕)市長から直接お声がけいただき、“うちで引き取りましょう”と言っていただいた」とのことで、さまざまな障壁を乗り越えて、イチョウの木が残せることになったと紹介します。
「泉佐野市のみなさまに愛される存在になることを願います」と話す石毛博行事務総長(泉佐野丘陵緑地・2026年6月)

「泉佐野市のみなさまに愛される存在になることを願います」と話す石毛博行事務総長(泉佐野丘陵緑地・2026年6月)

今後同公園内に移築されるのは、イチョウや植栽に加えて3つの棟すべて。式典に参加した博覧会協会の石毛博行事務総長は、「万博閉幕後に完全な形で移築されるシグネチャーパビリオンはダイアログシアターだけ。万博のテーマ“命輝く未来社会のデザイン”を長年にわたって引き継いで、万博のレガシーの拠点になることを願っています」と話しました。
取材・文:武並慎治(di;hype)
関西在住のWebディレクター&編集者。
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