行ってみよか

VRや対話、食を通して命をみつめる万博内覧レポート

2025.04.04

VRや対話、食を通して命をみつめる万博内覧レポート
いよいよ開幕を目前に迫った「大阪・関西万博」。今回の万博の目玉の一つで、8つの館から成る「シグネチャーパビリオン」が、3日メディア向けに初公開されました。今回は「いのちをめぐる冒険」「EARTH MART」「Dialogue Theater いのちのあかし」の3つをご紹介します。

◾️最新技術を駆使した映像で楽しむ「いのちをめぐる冒険」

アニメーション監督の河森正治さんがプロデュースするのは、モニュメント「いのち球」が印象的な「いのちをめぐる冒険」。こちらは『いのちは合体・変形だ!』をテーマに、いのちが合体・変形の連鎖であることが体感できるコンテンツが5つ用意されています。

展示について河森さんは、「人間だけでなく多様な生き物のいのちが、どんな形で繋がり合い、共鳴しているのかをテーマにしています。(コンテンツの)なかでは、いのちは合体、変形であることをコンセプトにそれを表現しています」とコメント。

そして、「例えば魚を食べるとして、大阪湾の魚を食べるとして、それは魚を食べているとも言えるけれど、いのちの流れを中心にして考えると、魚と合体して自分になっている。その魚が大阪湾の海水を飲んでいたとしたら、大阪湾の海水とも自分は合体している。そんなことが実感できるようなパビリオンです」と詳しい内容を説明してくれました。

河森さんの話を特に体感できるのは、最新のMRとVRで体感する映像コンテンツ「超時空シアター 499秒わたしの合体」。河森さんが手がける映像と世界的音楽プロデューサー菅野よう子さんによる音楽で、生き物の繋がりが表現されています。

体験する際には専用のシアターにてVRゴーグルを装着し、現実と仮想、過去と未来、時間と空間を超えたいのちめぐる冒険の旅に出かけることができます。目の前で繰り広げられるいのちを巡る世界はとても壮大。しかし、私たち一人ひとりもそんな壮大な世界の一部であることを、しっかりと感じられる内容です。

こちらの展示は13歳以上のみ体験可能です。体調を悪くする恐れがあるので、妊娠中の人や高齢者、ペースメーカーや補聴器などを使用している方はご注意ください。

◾️食を通していのちと向き合う「EARTH MART」

生きていく上で欠かせない「食」。そんな食を通していのちについて考えるのは、放送作家で京都芸術大学副学長の小山薫堂さんが手がける「EARTH MART(アースマート)」。
館内は「空想のスーパーマーケット」をイメージした空間に仕上げられています。一つひとつの食材をスーパーマーケットで吟味するように、展示をじっくり見ていくことで、普段私たちが何気なく食べているものについて改めて考えさせられる内容があちらこちらに。

例えば、「いのちの量り」では気になる食材を秤の上に置くと、いのちの重みを知ることができるなど、「食」と真剣に向き合うことができるコンテンツが用意されています。
これらの展示を通して、私たちは食べることの喜び、さらには現在の食を見つめなおし、次の時代にいのちを紡いでゆくヒントを探すことができます。

また、この館を訪れた人には6月にこちらで漬ける梅干し「万博漬け」を、25年後の2050年にもらえる引換券がゲットできるなど、タイムカプセルのようなワクワクする企画も用意されています(場所や日程などの詳細は未定)。


◾️2人の対話を通していのちについて考える「Dialogue Theater いのちのあかし」

映画監督の河瀬直美さんがプロデュースする「Dialogue Theater いのちのあかし」。奈良と京都の廃校を移築・改装した建物で、懐かしさや温かみを感じられる心地よい空間です。
こちらでは対話を通して、世界の至るところにある「分断」を明らかにし、解決を試みる実験場としての体験がおこなわれます。
体験自体はとてもシンプルで、館内のシアターで2人の対話を目撃するというもの。対話するのは、その日初めて出会う2人で、1人はスクリーンの向こう側にいる人。そしてスクリーンに映った人と話すのは、その日会場に訪れた来場者のなかから選ばれた人です。

対話のテーマは、「ついていい嘘とついてはいけない嘘の境目はどこにあると思いますか」「最近あなたは何色ですか?」など、毎日の生活や人生の発見につながる184種類の問いかけで、内容は毎日変わります。
どの問いも正解はなく、また2人の対話に脚本はありません。そのため同じ対話になることは決してないのが、この体験の魅力の一つです。

こちらでの対話はドキュメントとして映像化される予定なのだそう。「対話者になるかもしれない」というドキドキ感もありますが、ドキュメント映画をリアルに目の前で見るかのような、レアな体験ができるのもこのパビリオンならではです。

シグニチャーパビリオンの詳細はhttps://www.expo2025.or.jp/project/

大阪・関西万博は2025年4月13日(日)〜10月13日(月・祝)の期間中、午前9時から午後10時まで開催。
取材・文・撮影:野村真帆
関西に特化した編集・ライター。プライベートでは小学生と犬2匹の母。美味しい食べ物と車の運転が好き
miyoka
0