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大東駿介、関西人で大阪人でなかった瞬間は生まれてからない

2024.11.21

大東駿介、関西人で大阪人でなかった瞬間は生まれてからない
平日夕方5時から7時まで放送中の報道番組『news ランナー』(関西ローカル)で、10 月から新たに始動したコーナー企画「大東駿介の発見!てくてく学」。大阪府堺市出身の俳優・大東駿介さんが、ナビゲーターの“ちなみさん”と一緒に、関西の街の知られざる魅力や地元民すら知らないその街の新たな名物など、その街の“ちなみに情報”を求めて散策する企画です。

「大東駿介の発見!てくてく学」のスタートから早1か月ということで、大東さんにこのひと月を振り返ってみての感想や関西のつながりについて聞きました。

大東駿介

Q.コーナー開始から1か月を振り返ってみていかがですか?

僕自身は楽しくやらせてもらっていますけど、毎回楽しむために、スタッフさんといろいろ会議をしていますね。「より良くするためにはどうしたらいいか」「このコーナーらしさをどう作っていくか」っていうことはすごく考えています。

僕がやりたいこともたくさんありますし、コーナーとしても、こういう思いを持ってやりたいというのはあるんですけど、やっぱり毎回、出会う人によって作られていくので、そこに至るまでに自分たちが「なぜこのコーナーをやりたいのか」「このコーナーで何がしたいのか」をもっと煮詰めて結晶化させていかなきゃいけない、という話を常にしています。このコーナーらしさが生まれて初めて、愛されるんじゃないかと考えています。

Q.ロケに至るまでは、実際にどのような話をされているんですか?

ただ歩くだけとか、ちょっと聞いたらわかることじゃなくて、僕らが用意した質問や想定できる返答でもなくて、もっと深いところを引き出して、本当に「今日ここに来て良かったな」と実感できるもの作りができたらいいなと思っています。

そもそも、こういう番組で「この人の功績がすごい」「この歴史がすごい」と取り上げるなら、僕たちも同じような姿勢でもの作りをしていなければ、失礼だと思うんです。その上で、自分たちも思いを持って作っているからこそ、相手の思いを理解できるという精神を持ち続けたい、という会話をよくしています。人の功績をただテレビで流して褒められるだけでは、僕としては横取りに近い気がしちゃって。

すごいのは、コーナーでも、僕でもなく、その人です。その人たちと僕、この番組が出会ったからこそ「てくてく学はすごい!」と感じられるんだと思います。「出会う人に甘えすぎないもの作りを心がけようね」という話ですね。

僕はバラエティーや報道などの番組作りを知らないからこそ、ちゃんとしたものを持っていないと、出会う人に迷惑をかけてしまいます。プロとして楽しむためには、準備とルールが大事。それは昔から思っています。遊びこそ本気でやらなきゃいけない、というのが僕のポリシーです。
Q. 高校卒業してから上京して、ちょうど20年。実は大阪のことをあまり知らないとのことでしたが、ロケで関西エリアを回ってみて、昔と今で関西への印象や感じ方に変化はありましたか?

子どもの頃や学生時代は日本がすごく大きく感じましたし、知らない土地も多かった。しかし、大人になってこの仕事をしていると、日本中に知り合いができて、逆に日本が小さく感じるようになりました。ただ、その中でも大阪は、故郷っていうのも当然あるんやろうけど、独立した特別な魅力を持った街だなと感じます。

Q. 特に印象に残っている場所はありますか?

「SEKAI HOTEL布施」(東大阪市)の取材は本当に面白かったですね。昨日だから余計に印象に残っているのかもしれませんが、楽しく、ストレスなく歩けるようになったのも理由かもしれません。

東大阪や尼崎も印象に残っています。町を歩いていて「ここでロケしたな」と思い出すこともあって、今後、知る場所がどんどん増えていくのは面白いなと思います。

昨日はロケが早く終わって、カンテレの方とご飯を食べに行こうと思って電話しましたが、誰もつながらなくて、とりあえずカンテレまで歩いて行ったんですよ(笑)「誰かいるやろう」と思って歩いていたら「あれ、ここてくてく学でロケしたな」って、本屋のおばちゃんとかに声かけたりして。てくてく学を続けて、なんとなく知らん商店街やなくて「知っている場所」「知り合いがいる場所」を増やしていきたいですね。観光大使の人たちに「僕より大阪のこと知ってますか?」って言えるくらいになりたいです。そうしたら、その先は観光大使になるしかないな(笑)

Q. 普段の生活やお仕事で「自分は関西人やな」と思う瞬間はありますか?

僕が関西人で大阪人でなかった瞬間は生まれてからないです。東京でも、家族以外は大阪弁。子どもたちが困るかなと思って、家では大阪弁を封印してますけど、ぽろっと出ることはありますね。意図的に入れることもあります。日本中に方言があるんやって教えるために。

台本を読むときも、一度関西弁で読むんですよ。関西弁って独特なグルーブというかリズムがあるんですよね。音楽的というか。多分おもろい人って話がおもろいんじゃなくて、 耳心地がいいんじゃないかなってすごく思うんですよ。ギャグもそうですけど。『新・ミナミの帝王』(関西ローカル)を撮影しているときも(萬田銀次郎役の)千原ジュニアさんが寡黙だから、僕は奏でるように、歌うようにしゃべる、みたいな。実際ヒップホップも大阪が強いし、関西弁で一回読み直すと、標準語でやろうとしてきたこととは違う視点が生まれてくるんです。間の取り方や落ちの言い方とかも意識して読んでいます。

Q. 今後、ロケで行ってみたい関西のスポットはありますか?

僕がずっとてくてく学のスタッフさんたちに言っているのは「USJ」ですね。「USJ」って、1つのテーマパークの中で、エリアによって時代や時代背景が全部違います。植物の種類や周りを囲んでいる石垣も、実際にその時代に自生している植物や岩を再現しているんですよね。アトラクションではなく、その背景を支える造形師さんに話を聞いてみたいんです。そうしたら、新エリアができて、人が多くてアトラクションに乗れなくても、今回の「USJ」 はちょっと嫌やったなって気持ちにならないでしょ?
miyoka
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