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タイ国境から見た“監禁の街”【海外特派員リポート】

2025.05.10

タイ国境から見た“監禁の街”【海外特派員リポート】

【潜入取材】タイ国境から見た“監禁の街” ミャンマー犯罪拠点の闇/中国系組織がそこを選ぶ理由とは

タイの首都・バンコクから車で8時間。
到着したのは、地元の人でにぎわうメソト中心部の市場です。
国境沿いということもあり多国籍な街の印象。その中でもミャンマー人の姿が目立ちます。国境の柵沿いではこんな光景も…
柵の向こうがミャンマー。このマーケットでは、ミャンマーの特産物や酒など、国境を越えて物が売られています。価格はビール1箱360バーツ(日本円で約1,500円ほど)。1本あたり約62.5円という破格の値段です。
交流が盛んなタイとミャンマー。国境は橋を渡って行き来することができます。
画面中央が国境であり、今まさにそれぞれ越境。橋での行き来は入国審査があり、越えられそうな柵には監視もあります。
しかし、川で区切られている場所も多くあります。この川がまさに国境です。
対岸はミャンマー。川には監視も見当たらず、簡単に渡ることができます。
ミャンマーとの距離が近い中、他の国の影響もあります。その国とは…
中国です。メソトの街の中には、中国の装飾が目立ちます。中国系商人も多く、中国文化が浸透しています。国境へ向かうと、中国系企業の資本が入った街が見えます。対岸のミャンマーにあるこの街は…
シュエコッコ。中国系企業の資本が投入されてできた街です。街の中には、中国のものと思われる飾りや、ホテルの看板もミャンマー語と中国語で表記されています。

多くの中国系犯罪組織の拠点があるとみられるシュエコッコ。詐欺に加担していたとみられる日本人の男性が、国境警備隊によって保護された場所でもあります。中国系犯罪組織は、元々中国で違法行為をしていましたが、当局の締め付けによりミャンマーへと移ったとみられます。
タイ政府は、「国の安全保障に影響を及ぼす深刻な問題」として、2月からタイ側からの電力供給を停止しました。その影響なのか、街中ではずっと発電機の音が鳴っています。

建物をよく見てみると…
外に出られないようにふさがれています。詐欺に加担させられていた人の証言によると、このような施設に監禁されていたようです。建設中と思われる建物も同じような造りに見えました。何に使われるのでしょうか…。

犯罪拠点はシュエコッコだけではありません。シュエコッコから南に20キロほどの位置にあるのが、KKパーク。国境警備隊が突入し、詐欺拠点は一斉摘発されました。
さらに南に25キロほどの位置にあるのが、「泰昌パーク」。中国系犯罪組織に監禁されていたとみられる数百人の外国人がタイ当局によって保護されました。
いずれも中国系犯罪組織の拠点となっているとみられ、国境沿いには拠点が点在しています。国境の川は100km以上あり、人の流入を防ぐのは困難です。
犯罪拠点には1万人以上が監禁されていたとみられ、いまだ謎に包まれているミャンマーの犯罪拠点。全貌が明らかになることを願います。

【潜入取材】タイ国境から見た“監禁の街” ミャンマー犯罪拠点の闇/中国系組織がそこを選ぶ理由とは【関西テレビ・newsランナー】

miyoka
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