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【インタビュー】藤原大祐のリフレッシュ法とは? ドラマ『リビングの松永さん』

2024.01.26

【インタビュー】藤原大祐のリフレッシュ法とは? ドラマ『リビングの松永さん』
中島健人が主演、髙橋ひかるがヒロインを演じるドラマ『リビングの松永さん』(毎週火曜午後11時)。シェアハウスのメンバーの1人で医大に通う大学生の北条 凌(ほうじょう りょう)役を演じる藤原大祐さんに話を聞きました。
─2019年から芸能活動を始め、これまで数々の作品に出演している藤原さん。俳優のお仕事はいかがですか?
自分とは違うだれかの人生を生きる俳優という仕事は、藤原大祐として経験したプラスなこともマイナスなことも、すべてを役にいかせる仕事だと思います。悲しいことが起きたとしても、これも表現に生かせるはず、と前を向くきっかけにもなります。他人の人生を表現することが自分自身の人生も豊かに彩ってくれるとも思います。
また、視聴者の方から「この作品に救われた」「つらいことがあったけど笑えた」「元気が出た」と意見をいただくと、だれかの心へ届けることができたんだ、と幸せを感じます。
─藤原さんは10月にシンガーソングライター「TiU」としてメジャーデビュー。以前からジャズピアノが趣味だったそうですが、作曲はいつごろからしていたんですか?
2歳半からピアノを習い始め、10歳くらいからジャズピアノに切り替えてずっと趣味として続けてきました。親に「練習しなさい」と言われた記憶がないくらい、ずっとピアノを触っていたと思います。ちゃんとした作曲をしたことはなかったけれど、ジャズピアノって、左手は一定のコード進行を繰り返して右手のメロディで遊ぶので、そんなふうに趣味としてメロディをアレンジして楽しんでいました。
本格的に作曲を始めたのは新型コロナの自粛期間です。そのころ俳優を始めたばかりで、いろんなオーディションを受けているタイミングにコロナ禍となり、危機感と悔しさを感じました。自粛期間中は学校も休みだったから「この時間に何をするかで僕の人生は変わる」と思ったんです。そんな中でコロナ禍でも発信をしているアーティストを目にして、「僕も自分から表現をしたい!」と思い、最初のデモを作って事務所の人たちに聞いてもらったのがアーティスト活動の始まりです。
─ミュージシャンと俳優、表現者として共通しているところと違うところはどんなことでしょうか。
自分の人生の経験がすべて表現に生きる、というところは共通しているかもしれません。
音楽は、僕自身の考えや世の中に伝えたいことを、歌詞を書いてメロディにのせて表現できます。一方、俳優は、自分じゃない人間として、それまで僕がまったく考えたことのないことや知らないことを表現することもあって、新しい発見も多くあります。それらの発見の中に自分の個性を織り交ぜながら、僕にしかできない表現をしていきたいなと思っています。

単純に、俳優と音楽では届く相手も違いますよね。映像が好きな人には俳優として、音楽が好きな人にはアーティストとして、幅広い方々に自分の表現を見ていただけたらうれしいです。
─今は役者に音楽活動に忙しいと思いますが、お仕事がお休みの日の過ごし方は?
役者の仕事の時以外は、基本的には曲を作ってるんですけど、リフレッシュしたいときには、友だちを誘ってドライブに出かけます。遠くの山に出かけたり、ドライブスルーでファストフードを買って食べたり、温泉に入って帰ってきたり。僕は運転が好きなので、基本的には僕の運転で遠出することが多いです。
─原作を読んだ印象を教えてください。
コミカルでクスッと笑えるところもありつつ、キュンキュンするところもあって、その緩急がすごく面白い作品だと思いました。僕が演じる凌は登場人物の中でいちばん好きなキャラクターなので、演じられてうれしいし、プレッシャーもあるけれど頑張りたいという気持ちです。

─凌のどんなところが好きですか?
凌は、物語の序盤は恋愛に興味がなく、他人への関心が薄い無口な人。あんまり自分の感情を表現しないタイプです。僕は逆で、思ったことは口に出して伝えるタイプ。だから凌のように寡黙な人にちょっと憧れがあります。

凌はクールに見えて実は優しさにあふれた人。物語が進むにつれて、徐々にその優しさがにじみ出てくるんです。凌の「好きな人の幸せが僕の幸せだ」と言えるところや、好きな人の恋愛を応援できるところがすごくすてきなところだと思います。僕にはまねできないなって。僕だったら自分に振り向いてもらえるように頑張っちゃうと思うから。
─凌を演じる際に工夫していることはありますか?
全身の筋肉の脱力です。これまでリアクションの大きい役が多かったんですけど、凌は基本的に無表情で、大げさに驚いたりもしないと思うから、しゃべっているときの脱力感みたいなものは意識しています。

─原作ファンにメッセージをお願いします。
凌の魅力的なところって、感情を表すのが得意じゃないはずなのに、美己に対する思いだけはストレートにきちんと伝えられるところだと思っています。原作と違う設定もあるかもしれませんが、美己への深い愛、という根幹となる部分は心に留めながら、大切に凌を演じていきたいと思っています。ドラマ版の『リビングの松永さん』も、ぜひ愛していただけたらうれしいです。
取材を終えて
藤原さんは笑顔がかわいい愛されキャラのイメージでしたが、お話を聞いてみると、自分の意見や考えをしっかり持ち、的確な言葉ではっきりと伝えられる方だと感じました。学生時代のコロナ禍に自分からアーティスト活動を始めようとしたプロ意識の高さや責任感の強さ、といった内面的な魅力もあふれる藤原さん。凌としてどんな表情を見せてくれるのかも楽しみです!

文:早川奈緒子
川崎市在住のフリーランスライター。10代の子ども3人の母。「たまひよ」など主に子育て系メディアで取材・ライティングを行う。ほんのりオタク気質。
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