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なつめ(伊原六花)の不倫を疑う幹太(伊野尾 慧)の3分間

2025.04.08

なつめ(伊原六花)の不倫を疑う幹太(伊野尾 慧)の3分間

パラレル夫婦 死んだ“僕と妻”の真実 第2話レビュー

幹太(伊野尾 慧)となつめ(伊原六花)、別々の世界を生きることになった2人でしたが、毎晩3分間だけ互いの世界が交わり、一緒に過ごせることに。幹太との時間を喜ぶなつめに対して、「土曜日にホテル直」となつめにメッセージを送った“ヤマっち”のことがどうしても気になる幹太。“ヤマっち”は同僚の田村(松倉海斗)か、上司の守谷(八嶋智人)か、それともゲームバーの店長・丸山(野村康太)かと候補を挙げ、「ホテル直」のその日まであと3日、2日、とカウントダウンします。
自分のいない世界で、なつめと“ヤマっち”がホテルで会う…と考えたら、心配になってしまう気持ちはわかります。だけど、遺品整理をしながらもなお、なつめの不倫を疑う幹太に「どうしてなつめを信じられないのか…」と感じてしまいました。
一方なつめは幹太の遺品を片づけながら、幹太がなつめの書いた大量のメモを大事に保管していたのを見つけ、必死に涙をこらえます。大事な人をなくしても気丈に振る舞うなつめに心が痛みました。

その夜、幹太のことを思い出しながら丸山のバーで酔いつぶれてしまうなつめ。このとき「僕の前ではポーカーフェイスじゃなくていいよ」と寄り添う丸山の優しさにキュンとしました。莉子(齊藤なぎさ)の発言から、丸山はなつめに友だち以上の好意を寄せているようですが、なつめが丸山に話すのは幹太のこと。丸山の気持ちを想像するとちょっと切なくなります。
そして11時22分、幹太の前に現れたのは酔いつぶれてソファで寝るなつめでした。不倫の疑いに追い打ちをかけるように、幹太はなつめの洗濯物の山に男物のパンツをみつけ、さらに「カギはポストに入れておくね」と書かれたメモも発見。

翌日、このメモを残した人物が“ヤマっち”に違いないと考えた幹太は、“ヤマっち”はなつめを“なっちゃん”と呼ぶ男だと推測し、丸山だと判断します。そして、その夜丸山のバーに駆け込んで、急に丸山の胸ぐらをつかみ「なつめと会うんだろ」と詰め寄るのです。

その夜の3分間、幹太は部屋に現れたなつめにも「なんで不倫したんだ」と責めてしまいます。たった3分だけ会える大事な時間のはずなのに、スマホのパスコードが変わっていたと責めたり、「本当におれのこと愛してたの?」と疑ったり……。なつめにとっては、幹太の心配事は「ばかばかしいこと」。なつめは言うまでもなく幹太のことを大事に思っていたし、だからこそ夫婦生活での少しの不満を飲み込もうとしていたのでは。
なつめが「私たちやっぱズレてるんだね。」と言うように、幹太となつめは価値観の違いが大きいのかもしれません。お互いを大事に思い合っているのに、すれ違ってしまう2人にもどかしさを感じました。同時に、まったく個性の違う2人だからこそひかれあって夫婦になったんじゃないかな、とも想像しました。

このとき、なつめが姿を消す前に視線を送ったホワイトボードには、赤いマーカーの汚れが。2人の“ズレ”のきっかけにもなったようですが、一体過去に何があったのでしょうか。

たった3分間だけ、なくなったパートナーに会える時間。もし、自分の身にそんな奇跡が起こったとしたら、その人とどんな時間を過ごすだろう? そう考えさせられた第2話でした。
文:早川奈緒子
川崎市在住のフリーランスライター。10代の子ども3人の母。子育て系やエンタメ系記事の取材・ライティングを行う。
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