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体験型シネマで謎解きにチャレンジ「Studio Escape」

2024.08.07

体験型シネマで謎解きにチャレンジ「Studio Escape」
夏休みを利用して、ご家族やご友人と一緒に「脱出ゲーム」や「謎解きゲーム」にチャレンジされる方も多いのでは?謎を解きながら閉ざされた空間から脱出する、体験型ゲーム・イベントは日本各地で開催されていますが、そんな中「体験型シネマ」というワードに出会いました。

「体験型シネマ」とはテーマパークの楽しさとハリウッド映画さながらの演出に、謎解きゲームの要素が加わった新感覚のエンターティメント。スリル満点の特殊効果を使って次々に繰り出される難題を、物語に沿って手がかりを探しながら解き進み、ゴールを目指す。 扉の向こうは映画の世界、主人公はあなた!

なんですか、この面白そうなのは。
調べてみると、イギリス人のオーナーの手作りだとか。2011年来日以後、大阪市在住の双子の兄弟、ベンさんとエドさんが生み出したのが「体験型シネマ」です。

大阪メトロ堺筋線の恵美須町駅から北へ7分ほど歩いたところ、シックな看板が目印の「Studio Escape(スタジオエスケープ)」(大阪市浪速区)。早速、本店3階にある「欲望のダイヤモンド」を体験してみました。
予約時間まで外で待機しますが、今の季節は暑いので、指定されている時間ちょうどを目安に到着することをおすすめします。(遅刻しないように注意!)

中へ入りスリッパに履き替えます。おしゃれなバーに案内され、もうその世界観に引き込まれました。最初にスタッフから注意事項が説明され、ゲームのシチュエーションに入り込むための映像を見ます。なんとその映像も手作りだそうで。

舞台は1940年代のシカゴ。探偵になったプレイヤーのゴールは、ある惨殺事件と失われたダイヤモンドの謎を解くこと。
さぁ探偵として頑張るぞと意気込み、まずは部屋へ移動し探索からスタート。ナレーションを聞きながらストーリーにそって進めていきます。行き詰まるとちょうどいいタイミングできっかけの音がなり、ヒントがもらえます。天の声ありがたかった。

脱出ゲーム経験者からすると比較的ゆっくりと楽しめて(ヒントくれたからかな)、まさかの展開&ギミックに驚きの連発です。これ、やっていて「楽しい!」が詰まっています。解きながら「どうやって作ってるんだ?」って思っちゃいます。
そして、次へ進むドキドキとわくわく。えええ!そうなるの?すっご!! 一体何が起こるのか…この先はもうネタバレになっちゃうので、体験してみてください!

この「体験型シネマ」を作ったStudio Escapeのオーナー、ベンさんとエドさんに話を聞きました。

前方:ベンさん 後方:エドさん

―脱出ゲームを作ることになったきっかけは?
2017年にオランダで脱出ゲームを体験、そのあとロンドンで一番人気の脱出ゲームを体験したけれど、実はそんなに面白くなかったんですね。「自分たちならもっと面白いものが作ることができる」と思い、その夜に兄弟二人でいろいろアイデアを出し合いました。
もともと二人ともエンタメの仕事をしていたのでそんなに難しいことではなかったです。
その後、2018年に「暗黒の座禅」という100年前の日本家屋を再現した脱出ゲームを、住んでいる浪速区にオープンさせました。
次に作るなら、単純な脱出ゲームではなく、ストーリー性をもっと持たせたいと思い、一切の妥協せずに「欲望のダイヤモンド」を作りました。

―「体験型シネマ」と名付けている理由は?
「欲望のダイヤモンド」では、ナレーションとともにプレイヤーが設定された時代に入り込んで、ストーリーを楽しみながら進んでいくゲームにしたかったんです。これまでの脱出ゲームとは全く違うテイストのもの。謎をひとつずつ解いていくごとに、新しい情報が次々と明らかになって、先へと進むことができるようにしました。もはや「脱出ゲーム」という言い方は当てはまらないから「体験型シネマ」と呼ぶことにしたんです。
ほかにも60年代のイギリスを舞台にした「女王と国のために」や、マーダーミステリーとしてストーリー性を強めた「マダム・ルクレールの交霊会」も作りました。

写真は「女王と国のために」

―随所にこだわりを感じますね
僕たちが大切にしているのは「非日常」です。40年代のアメリカとか60年代のロンドンとかちょっと前の時代設定にしています。
設定ができたら、謎解きをする空間にはその年代に合わせた装飾をほどこして、物語の世界観に没入できるような雰囲気を作ります。小物にもこだわって、海外のネットオークションでアンティークを購入することもあります。机の上に置いてあるタイプライターはイギリスで見つけて、このために買って日本に持ち帰ったんですよ。まるで映画のセットみたいでしょ。本物のアンティークに謎解きの仕掛けをするんです。仕掛けのためのものを作って置いているわけではありません。
―これまで体験した脱出ゲームとはちょっと違う気がします
僕たちが目指しているのはクイズにだけに集中するものではなくて、没入感を楽しむゲームです。映画などからインスピレーションを得て作っていて、既存の脱出ゲームのルールや常識にとらわれないものです。プレイヤーにとって何が面白いのか、何ができたら「すごい!」と思うのか。そういうことを基準にして、大胆なことにチャレンジしています。
また、通常の脱出ゲームの成功率は2~6割程度で作られていますが、僕たちはなるべく100%成功できるように作っています。ストーリーを完結させる喜びを感じてほしいからです。
ゲームにかかる時間は一番早いグループで45分くらい。通常は1時間くらいでしょうか。

―これまでにうれしかった出来事は?
「Morty」という、全世界のあらゆる没入型アトラクションを検索、追跡、レビューできる、アメリカ発の無料アプリがあって、2021年から年に一度、最も評価の高い脱出ゲームに「ベスト・オブ・モーティ賞」を贈っています。2023年、79か国の中から日本では唯一Studio Escapeの「女王と国のために」が受賞しました。とてもうれしかったです。
でも本当はお客様が喜ぶ顔を見られることが一番うれしいことですね。
この「体験型シネマ」の 参加人数は1回につき2~4名のみ。スタッフが室内にいない、参加者だけでの謎解きなので、テーマパークを貸し切ってる気分になります。2か月前から予約できるので、友人や家族、恋人などお誘いの上、その世界観に没入してみませんか?

施設情報

Studio Escape(スタジオエスケープ) https://www.studioescape.jp/
日本橋スタジオ:大阪市浪速区日本橋4-2-15 3F
大国町スタジオ:大阪市浪速区敷津西1-6-17
※各スタジオで体験できる謎解きはHPで要確認
※参加可能年齢10歳以上。ただし10~16歳までの方は大人の同伴が必要です。
【料金(税込)】2名:9,900円/3名:13,860円/4名:17,600円
【問い合わせ】info@studioescape.jp 070 8585 8839
miyoka
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