こどもを守るために…【気になるニュース・さゆり’s eye】
2023.09.04
こどもを守るために…
現代っ子たちは遊ぶ余裕がないほど連日習い事で大忙しです。
決して英才教育の側面ばかりではなく、少しでも学校の授業に遅れないようにとか、幼いうちから様々な経験を積ませてやりたいとか、それは子を思う親心ゆえ。よくわかります。
ただ、そんな親たちを不安に陥れる卑劣な事件がありました。
先月、大手中学受験塾「四谷大塚」の元講師の男が、教え子の下着を盗撮したなどの疑いで逮捕されました。元講師の男は、勤務していた東京都内の教室で、教え子の9歳の女の子に、下着が見えるよう床に座らせて説教をしたうえで、女の子に「裸でお尻ペンペンです」などと言わせ、その様子を盗撮した疑いが持たれています。
男は、その画像をSNSでも拡散していて、警察の調べに対し「性的欲求を満たすためにやった」と供述しています。
信頼した先生からまさか性被害を受けるなんて…。親はもちろん、被害にあったこどもたちが受ける心身への影響は計り知れません。
こうした事件を未然に防ごうと、政府が新たに導入を検討しているのが「DBS(Disclosure and Barring Service)」という制度です。
子どもへの性犯罪歴のある人が子どもと接する仕事に就けないようにする仕組みで、イギリスの制度を参考にしています。
学校や保育園が、教師などを採用する際に、国が管理する「性犯罪歴の登録システム」に事前に照会をかけ、問題がなければ国から無犯罪証明書が交付されます。前歴がある人は採用されない仕組みを想定しています。
子ども家庭庁は関連法案を早ければ秋の臨時国会に提出する見通しで、議論は大詰めを迎えています。
ただ、現時点で検討されている法案では、抜け穴も指摘されています。
対象とするのは、学校や保育所、幼稚園などに限られ、学習塾やスポーツ教室など習い事については含まれない可能性があるのです。
理由について国は、「塾やスポーツ教室などの場合、所管する省庁がないから」としています。これでは、学校などで働けないとわかった人が、チェックの緩い塾やこどもの施設に流れてしまう恐れが残るわけです。
イギリスの場合は、そうした働く場所や機関で限定するのではなく、たとえば「8歳未満のこどもに一日2時間以上接するベビーシッターや保育士」など、職業の形態で分類し、こどもと接する職業に就くほぼすべての人に「性犯罪の犯歴照会」を義務付けているのです。
同様の制度はドイツやフランス、カナダ、韓国にもあります。
日本だけが特別に性犯罪が多いわけではなく、むしろ海外のほうが深刻な事例は多い印象もありますが、共通して、こどもを狙った性犯罪は「再犯率が高いこと」が指摘されています。
日本に「DBS制度」ができることで、一定の性犯罪を抑止する効果は期待できますが、せっかくできるからには、安心で納得できるものにしてほしいと、ひとりの親として切に願いながら、法案の行く末に注目しています。
【聞きたい】子どもを性犯罪から守る“日本版DBS”とは 教師からの性暴力被害者「疑う発想なかった」 専門家「対象をどこまで広げられるかにかかっている」【関西テレビ・newsランナー】
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