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ゼロから始める「花のある暮らし」【第2回】~ブーケの花をO型、T型、I型に分けてみよう~

2024.06.25

ゼロから始める「花のある暮らし」【第2回】~ブーケの花をO型、T型、I型に分けてみよう~
お花のある生活って心が和みますよね。前回(記事はこちらから👆​)の記事では、お花のプロ・高木優子先生にブーケそのままの形での飾り方や、水替えのコツを教えていただきました。今回は少しアレンジを加え、ブーケを分解し、小分けにして飾る方法を教えていただきます。
◉ブーケを分解して飾る
まずは、花を分けるところからはじめましょう。「わかりやすくするために、まず花の形ごとにO型、T型、I型の3つに分けます。ブーケでは、これに葉ものを加えて4種類に分けることができます」と、高木先生。花の形を分けると、器との相性もわかりやすくなります。

それでは、ブーケの花をそれぞれの形を見ながら、3つに分けてみましょう。

左からO型、T型、I型に分けられます

まずは「O型」の花。

茎の先に丸い形の花がついたものを「O型」と呼びます。「例えば今回のブーケの中では、ダリアやバラがO型になります」(高木先生)。

O型の花

次は「T型」です。

茎に対して、花が垂直に咲くものを「T型」と呼びます。「横から見たら、アルファベットのTの形に見えます。今回のブーケでしたら、ガーベラがわかりやすい形かと思います」

T型の花

そして最後は「I型」です。

茎からまっすぐ、または茎に沿うように花が咲くものを「I型」と言います。「アルファベットのIの形に似ているものです。今回のブーケではオレンジのモカラやアンスリウムがI型ですね」

I型の花

多くのブーケは、大体この3つと葉ものに分けることができます。花の種類がわかったら、今度はそれに合わせる器を決めていきましょう。

◉相性の良い器は?
それぞれの花の形で、相性が良い器も変わります。「例えばO型の花にあうのは、下の部分が丸い花瓶。ほかには、どっしりとした形のグラスなどです。ずんどうな形や縦長の器は、花とのバランスが取りづらいので避けた方がよいでしょう」

O型の花と相性の良い器

そして「T型」の花と相性が良いのは、口がきゅっとスリムになっているもの。「口が細いディフューザーの空き瓶にはおしゃれなものも多く、サイズ的にも使い勝手が良いですよ」
「I型」の花と相性が良いのは、背が高くて細いもの。「シリンダーのように、スッとまっすぐな形のもの、あとは少し口がすぼまっているものも使いやすいですね」。まっすぐな線で構成された器は、直線の花と相性が良いようです。

I型の花と相性の良い器

最近では100円ショップやIKEA(イケア)、フライング タイガー コペンハーゲン(Flying Tiger Copenhagen)などの雑貨店でも、いろいろな花瓶を売っています。しかもどれもリーズナブル!「急なことで花瓶が用意できない場合は、コップやマグカップなど普段使いの器を花瓶として使うのも良いでしょう。柄や模様が入っているコップを使うと、茎のバラバラした感じが目立たず、いい雰囲気になりますよ」と、高木先生。側面に凹凸がある器は、茎のバラつきをごまかせるので、初心者にもオススメだそうですよ。

柄ものの器は水を入れると、茎の部分がよい感じに見えます

◉茎の長さのバランスは?
器が決まったら、今度は茎の高さに迷います。長すぎても短すぎても格好が悪いですが、どのくらいにカットすれば良いのでしょう。「初心者の方はまず、花器と茎の部分の比率を1:1にするとバランスがとりやすいですよ」。ディフューザーの空き瓶など、口が細い器の場合は、器の太い部分までとその先の部分の比率を1:1にすると良いそうです。

口が細い器の場合は、器の太い部分までと、その先の部分の比率を1:1に

高木先生はさらに「束で飾りたい場合は、輪ゴムを使って形を作るといいです。そして、飾りやすいです」とも教えてくれました。これは、小さなブーケを簡単にまとめる際に使われているやり方で、輪ゴムで茎の部分をまとめることで、花や葉に束感を作ることができ、花瓶にさすときにも安定しやすくなります。

やり方は簡単。花をまとめて持ったら、適当な茎1本に輪ゴムの輪の部分を引っかけます。

どれでも良いので茎1本に輪ゴムをひっかけます

そのまま束を持つ指の上に、輪ゴムをグルグルと巻き付けます。

ぐるぐると輪ゴムをまわして、茎に巻き付けていきます

輪ゴムの長さがなくなったら、最後の輪の部分を適当な茎に引っかけます。これで出来上がり。意外にしっかりと茎が固定されます。

巻き終わりを適当な茎にひっかければ完成

「カラーの輪ゴムを使って、アクセントにしてもオシャレです」。なるほど、茎の部分を見せることを意識して、カラーゴムを使ってみてもいいですね。

お花にあったカラーゴムを使うと、色が透けて見えておしゃれな印象に

◉さまざまな器で楽しむ
このように、いろいろな飾り方を楽しんでいるうちに、だんだんと花の茎が短くなってきます。「そういう時はお皿に生けてみるのもいいですよ。お気に入りの食器を使ってバリエーションを楽しみましょう」。ひたひたに水を入れた食器は、茎が短くても花が生けやすいのです。

お皿に生ける場合はギリギリまで水を入れて

「たくさんの花を飾る場合は、食器を同じシリーズでそろえると統一感が出ます」と、高木先生。写真は、先生お気に入りの北欧食器ブランドARABIA(アラビア)のもの。お気に入りの食器のほかに、お正月用の器を利用してもすてきに仕上がります。

同シリーズの食器に生けると、統一感が出ます

水盆のように花びらを水に浮かべるのもキレイ。ただ、注意することがひとつ。「水に浮かべられるのはラン科のように、花びらが肉厚でしっかりしたものです。花びらが薄いものを直接水に浮かべたり、葉っぱが水につかったりすると、その部分が溶けて腐ってしまいます」。どんな花でも浮かべられるわけではないのですね。

水に浮かべられるのは、花びらが厚いラン科の植物など

「T型とO型の花は食器のフチに引っかけやすいです。あとは、葉っぱをうまく使って、花の部分が水に付かないように工夫しましょう」。先に葉っぱを生けて、そのすき間に花を引っかけると、うまくいくそうです。「お花がたくさん生けてあると、ホームパーティのテーブルなどでも映えますよね」と、高木先生。こんな風に生活の中にさりげなく花を取り込めたら、すてきですよね。
次回は、ブーケの花を最後まで楽しむ方法や、初心者でも扱いやすい花などをご紹介します。
文:二木繁美(にきしげみ)
パンダライター。パンダ団子を食べ、パンダのうんこの香りを嗅いだ人間です。アドベンの明浜・優浜の名付け親で日本パンダ保護協会会員。インタビューや旅メディアでも執筆。
 
   
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