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ゼロから始める「花のある暮らし」【第3回】~最後まで花束を楽しむ方法&初心者におすすめの花~

2024.07.25

ゼロから始める「花のある暮らし」【第3回】~最後まで花束を楽しむ方法&初心者におすすめの花~
お花のある生活2回目は、お花のプロ・高木優子先生に、花材ごとに合う器や飾り方を教えていただきました。でも、飾ってから時間がたつと、少しずつ花の数が減ってきたり茎が短くなってきたりしますよね。3回目となる今回は、その場合のアレンジや、花材を最後まで楽しむ方法、初心者にオススメの花などを教えていただきます。
●花が減ってきたら

どんなにがんばってお世話しても、花はいつか枯れてしまうもの。花が減ってきた場合はどうしたら良いのでしょうか。「残っているものを花瓶や水差しに集めましょう。ピッチャーのような口が大きめな器を使うと、ふわっと生けられますよ」と、高木先生。
花が残っている場合は、葉ものを先に器へ入れてから、茎や葉っぱのすき間に花をさしていきます。「そうすると茎や葉っぱが花を支えてくれて、まとまりやすくなります」。どうしてもまとまらない場合は、前回紹介した輪ゴムで束ねるテクニック(記事はこちら👆)を使うと、初心者でもうまく飾ることができます。
花より葉ものの方が、丈夫で日持ちがしやすいそうですが、花がなくなった場合は、どうすれば良いでしょう。「葉ものを1枝、小ぶりの器に生けると、見た目もかわいく、洗面などの少ないスペースにも飾れますよ」。最後は葉っぱだけになっても楽しめるようです。
●初心者向きの花は?
ここまで花について学んで、いざ買おうと思っても、お店ではいろいろと目移りしてしまいますよね。初心者はどのような花を選べば良いのでしょう。「比較的お世話が簡単で、1輪でも存在感のあるようなものが飾りやすいでしょう」。なるほど、見た目だけではなく、お世話の簡単さも重要です。

先生がオススメする花を、前回教えていただいた、O型・T型・I型の花と葉ものに分類しながら見てみましょう。
●あじさい(O型)
梅雨の時期には街中でもよく見かける『あじさい』は、O型の花。園芸品種も多く、さまざまな種類の色や花の形が楽しめます。「そのままドライフラワーにもできますので、長く楽しめますよ」と高木先生。水をたくさん吸うので、しっかりと水が入る深めの器を選ぶと良いでしょう。
●ベビーハンズ(葉もの)
春から秋頃にかけて店頭に並ぶ『ベビーハンズ』は、葉ものに分類される木いちごの枝です。その名の通り、子どもの手のひらのような形が特徴。かわいらしい見た目で、切り花を引き立ててくれます。「あじさいと合わせると、クールで涼しげな印象になりますよ」。切り花と合わせやすく、人気の品種。長持ちさせるには、水につかる部分に葉っぱが残らないように、しっかりと落としましょう。
●ひまわり(T型)
最近は父の日需要が多いという『ひまわり』はT型の花。「ゴッホの絵画をイメージしたひまわりもあるんですよ」。品種改良によって茶色や白などのシックな色や、花が小さなものなど、さまざまな種類が楽しめます。茎に細かい産毛があるため、切り花で楽しむ場合は、雑菌が繁殖しないように、水の量を少し控えめにするのがポイントです。

●アフリカンブルーバジル(I型)
4月から10月頃まで店頭に並ぶという『アフリカンブルーバジル』は、I型の花です。「シソ科の多年草で、その名の通りバジルのようなさわやかな香りが楽しめます。暑さに強くて丈夫なので、上手に水替えしてあげれば、そのまま根が出てくることもありますよ」。初夏から秋までの時期は、花穂(かすい;ススキやケイトウなどのように穂のような形に咲く花のこと)が開いて見た目も華やかです。

●エリンジウム(O型)
通年手に入る『エリンジウム』は、カットすればO型の花に分類されます。丸い小花が集まった多年草で、「そのまま飾るだけで様になりますし、花瓶にさしたまま簡単にドライフラワーにできますので、生花のお世話に自信がない方でも大丈夫です」。個性的なフォルムはもちろん、流通量の多い青系のほかにシリウスクエスターという白系のものなど、さまざまな色合いがあるのも魅力のひとつです。

どれも比較的世話が簡単で、手に入りやすいものばかり。花選びの参考にしてみてくださいね。

●日常にお花を

「週に1日。300円や500円など予算を決めて、お花を楽しむのも良いでしょう。食卓や洗面所などにお花を飾ると、ふとした瞬間に目に入って癒されますよ」と、話す高木先生。上手にお世話すれば、どんどん花が増えて見た目も楽しくなりますね。さらに、せっかくキレイに花を飾ったのだから、それに合わせて部屋も片付けようという気持ちも生まれてきます。
忙しい毎日でふと気持ちを緩める瞬間。その時の気分に合った花を選べば、気持ちも明るく整えてくれそうです。ちょっとした楽しみでお家ライフが満たされる……。そんな花のある日々を過ごしてみませんか。

文:二木繁美(にきしげみ)
パンダライター。パンダ団子を食べ、パンダのうんこの香りを嗅いだ人間です。アドベンの明浜・優浜の名付け親で日本パンダ保護協会会員。インタビューや旅メディアでも執筆。
 
   
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