秘密の万博パビリオン、国のビッグプロジェクトの一端を担う「未来の森」

2025.09.10

秘密の万博パビリオン、国のビッグプロジェクトの一端を担う「未来の森」
大阪・関西万博の数あるパビリオン施設のなかでも、一般入場できないエリアにあることから、その存在すらあまり知られていない「カーボンリサイクルファクトリー」。「入場最難関」「隠しパビリオン」などともいわれる同ファクトリーのひとつ「未来の森」でどのようなことが行われているのか話を聞くと、日本版「アポロ計画レベル」ともいえる壮大なプロジェクトが隠されていました。

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■ムーンショット事業というビッグプロジェクト

生活の中で使われる石油、石炭、天然ガスといった化石燃料は、地中に蓄積されていたCO2を大気中に放出することになるので、大気中のCO2濃度が上昇し、地球の温暖化につながっています。

日本は、国として「2050年までにCO2排出量を実質ゼロにする(カーボンニュートラル)」という目標を掲げ、CO2を回収・吸収する仕組みを作ることでプラスマイナスゼロを目指しています。

そんな空気中に散らばってしまったCO2を回収して、地下に戻す装置の実証と技術の説明展示を行っているのが「未来の森」。

館長の中神さんは、「これは、1960年代のアポロ計画のように、夢のようなプロジェクトを10年以上かけて実現しようとする日本の“ムーンショット型研究開発事業”のひとつ」とその重要性を説明します。

また、「現在はまだ研究段階で、すぐに実用化できるレベルではありませんが、将来的に地球温暖化問題を解決できるレベルの技術として研究が進められています」とも。

■CO2の回収だけでなく、その後の活用の技術も

大気中に含まれるCO2の割合は約0.042%と意外と少ないものの、産業革命以前の約0.028%と比較すると約1.5倍に増加。

これ以上大気中に増やさないようにするための最新技術として、ここではDAC(ダイレクト・エア・キャプチャー)と呼ばれる、大きく開いた口からCO2を回収する装置が稼働しています。

合わせて、CO2を吸収するコンクリートなどこのほかの回収技術や、回収されたCO2を都市ガスに加工したり、植物の成長を促進する燃料に変換したり、あるいは地下の地層に貯蔵したりといった、CO2の活用や安全な貯蔵方法についても紹介しています。

中神さんは、「普通は企業がオープンにしないような先端技術を、万博という機会なので公開しています。多くの人たちにCO2問題とその解決策に興味を持ってもらえれば」と呼びかけました。

■期間限定、最新テクノロジーを知るパネル展

ぜひとも現地を見学したいところですが、「カーボンリサイクルファクトリー」は一般公開されていないエリアにあり、残念ながら見学ツアーの予約はすでに閉幕まで満員。

そんな中、2025年9月15日(月)までは、各取り組みについて紹介するパネル展が実施中です。会場はフューチャーライフゾーンの「ジュニアSDGsキャンプ」で、時間は夕方17:00~19:00(事前予約不要の自由入場)。

「万博最難関」とまで呼ばれた公式スタンプも「ジュニアSDGsキャンプ」に特別設置されていますので、最新テクノロジーに触れに足を運んでみてください。

未来の森
https://rite.or.jp/expo2025/
カーボンリサイクルファクトリー パネル展
https://rite.or.jp/expo2025/018368sdgs.html

取材・文:武並慎治(di;hype)
関西在住のWebディレクター&編集者。万博閉幕まで残り40日を切り、すでに万博ロスがコワい。

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