大阪・関西万博の会場内で、3つの施設が連携して未来の技術を実験している「カーボンリサイクルファクトリー」。「万博最難関」「隠しパビリオン」など、万博ツウの間で話題になっているものの、公式マップにその場所は記載されていない同ファクトリーのひとつ「化けるLABO」。
どのようなことが行われているのか、「化ける」とは一体なんなのか?
その秘密を解き明かしてきました。
【オススメ動画】よ~いドン!【出演:円広志ほか】
生活のなかで大気中に排出されたCO2(二酸化炭素)など温室効果ガスを回収し、大気中の濃度を一定に保って増減ゼロを目指す「カーボンニュートラル」。地球温暖化対策として世界中で共通の目標とされており、日本では2050年までに実現するよう国をあげて研究や対策が進められています。
夏の猛暑や豪雨といった気候変動が目立ちはじめたことで、近年特に注目されているこの最新技術のひとつが「カーボンリサイクル」。大気中に排出されているCO2を資源と捉えて回収はもちろん、さらに再利用までおこなう取り組みです。
「カーボンリサイクルファクトリー」は、大気や排気ガスから最新技術でCO2を回収し、「メタネーション技術」を使って水素と合わせてメタンに合成し、会場内で燃料として利用する一連の流れを実証する施設。
中でもここ「化けるLABO」は、集めたCO2を「e-メタン」に変換し燃料にするための施設。同施設の伊藤さんは「ここは環境省の委託事業として大阪ガスが実証実験を実施しており、万博会場内で製造されたe-メタンは、会場内にある迎賓館のコンロや空調用冷熱製造の燃料として実際に利用されています」と話します。CO2が、料理などに使う燃料に「化け」ているんですね。
CO2は、隣接する「未来の森」や「地球の恵みステーション」のほか、「日本館」からも供給。さらに、会場内のレストランなどから出る生ごみも活用して、発酵で得られたバイオガス中に含まれるCO2も利用されています。
また「化けるLABO」内には水素の製造装置もあり、これらを合成してメタンを作る2種類の「メタネーション」装置が設置されています。このメタンを使って都市ガスと同じ配合に整えて、燃料として使っているのだとか。
伊藤さんは、「現地で水素とCO2を調達してe-メタンを作り、現地で利用するという“会場内完結の取り組み”は非常に珍しいです。万博という機会なので、“ガスでもカーボンニュートラルや地球温暖化対策ができる”ということをこれらの技術と一緒に知ってもらえたら」と、エネルギーの地産地消の可能性と合わせて紹介しました。
現地を訪れたいところですが、「カーボンリサイクルファクトリー」は一般公開されていないエリアにあり、残念ながら見学ツアーの予約はすでに閉幕まで満員。
そんな中、2025年9月15日(月)までは、各取り組みについて紹介するパネル展が実施中です。会場はフューチャーライフゾーンの「ジュニアSDGsキャンプ」で、時間は夕方17:00~19:00(事前予約不要の自由入場)。
「万博最難関」とまで呼ばれた公式スタンプも「ジュニアSDGsキャンプ」に出張して設置されていますので、最新テクノロジーに触れに足を運んでみてください。
カーボンリサイクルファクトリー
https://www.expo2025.or.jp/future-index/green/tour/
大阪関西万博会場でのメタネーション実証
https://www.daigasgroup.com/expo2025/methanation/
取材・文:武並慎治(di;hype)
関西在住のWebディレクター&編集者。万博閉幕まで残り40日を切り、すでに万博ロスがコワい。
▼あわせて読みたい
■入手困難!「万博隠しステージ」にある、激レアスタンプ3つはコレ
■毎日通うマニアも未体験、予約殺到した万博の激レア工場とは
■万博イタリア館にアンドロイドが登場、石黒教授「国と国がつながれば」
▼オススメ動画
■ちゃちゃ入れマンデー【出演:東野幸治、メッセンジャー黒田、山本浩之ほか】
■やすとも・友近のキメツケ!あくまで個人の感想です【出演:海原やすよ ともこ、友近ほか】
■火曜は全力!華大さんと千鳥くん【出演:博多華丸・大吉、千鳥(大悟、ノブ)ほか】