​​圧巻の映像で魅せる、カンテレの報道カメラマン・樋口耕平「誰でもスマホで撮れる時代、何を伝えたいか問われる」(後編)​

​​圧巻の映像で魅せる、カンテレの報道カメラマン・樋口耕平「誰でもスマホで撮れる時代、何を伝えたいか問われる」(後編)​

◆​​何を伝えたいか、さらに重視される時代​

​​──そうした新しい技術も、やはり伝えたいメッセージがあってこそ、ですよね。
​​はい。繰り返しになりますが、まず伝えたいことがあって、そのために技術が必要というのが正しい順番だと僕は思います。機材が進化すれば簡単に撮れると思いがちですが、だからこそ何を伝えたいかが問われる。今の時代、誰もがスマホでキレイに撮れるじゃないですか。
​​僕らみたいな、一応プロと呼んでもらえるような仕事をしている人間が、プロたり得るためにはどこへ向かうのか。みんな歌は歌えるけど、じゃあ、プロのミュージシャンの歌は何が違うかという。テクニック的な上手さだけではない、作り手の想いや発想がさらに重視されていくんじゃないのかな、と。
​​さっきの摺師のカットじゃないですけど、意味を考えて考えて、アイデアをひねり出して撮ったものはいつ見てもそれなりの説得力があるんじゃないかと信じているんですね。表層的な技術だけを強調するような撮影は、いずれ陳腐化すると思います。自戒をこめて。
超高精細映像制作チーム「UHD-works」による撮影の様子

超高精細映像制作チーム「UHD-works」による撮影の様子

​​──そういったイズム、流儀は、後進にも継承していきたいですね。
​​僕はこれまで会社はもちろんですが、上司・同僚にも恵まれて、長い間好きなことをやらせてもらったので、それはすごい財産になっています。自由な気風と周囲の理解があったからこそ、今までやってこられました。最後に急にこんなこと言いますが(笑)​​。​​お世辞でなく、本当にそう思いますね。
​​だからこそ、今ずっとお話したような「自分はこうやってきた」「自分たちの時代はよかった」と過去を想うだけではなく、今のこの環境の中で、僕自身があがいている姿を見せ続けないといけないと思っています。
​​これまで培ったスキルを現在の報道やテレビの中で生かせるように伝えることが、奔放にやらせてもらえた人間の、若手社員や後輩に対してのアンサーというか、責任だと考えています。
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