「もう無理だ」と決めつけない――逆境をチャンスに変え、ミチル(伊原六花)が再び料理対決へ!優吾(七五三掛龍也)の後押しを受け、1度目の人生にリベンジを懸ける ドラマ『小麦とバターと復讐と』第4話

「もう無理だ」と決めつけない――逆境をチャンスに変え、ミチル(伊原六花)が再び料理対決へ!優吾(七五三掛龍也)の後押しを受け、1度目の人生にリベンジを懸ける ドラマ『小麦とバターと復讐と』第4話
「水ドラ★イレブン」枠のドラマ『小麦とバターと復讐と​』(毎週水曜 午後11:00~/カンテレ・フジテレビ系全国ネット)の第4話が、10月28日に放送されました。
2年前にタイムリープした野崎ミチル(伊原六花)は、 2度目の人生でも人気モデル・ハルナ(トラウデン直美)との出会いをチャンスに変えパン職人への一歩踏み出します。パン職人としての知名度が上がり始める中、第4話では、ハルナの仲介で料理バトル番組『極みの料理人』に出演することに。1度目の人生でも出演しましたが、そのときは何百回と作ってきた失敗するはずのないオリジナルパン「ブルーバードブレッド」が、なぜか膨らみすぎてしまうという不可解な失敗によって敗北。ミチルはその教訓を生かし、細心の注意を払って勝負に臨みます。

◆アイデア次第で料理も人生もガラッと変わる?

ピンチをチャンスに変える――。そんな言葉がありますが、現実はそう簡単にはいきません。客観的にはささいな失敗であっても、本人にとっては大きなダメージとなり、その後の人生を左右してしまうことだってあります。しかしこの第4話では、失敗をどう次につなげるかが描かれていました。

ミチルは1度目の人生で味わった苦い経験を踏まえ、万全の準備を整えて人気料理対決番組『極みの料理人』に出演します。ところが、またしても予期せぬトラブルが発生。アシスタントの杉本カナエ(寺本莉緒)の企みにより、作ったパンが焦げて失敗してしまうのです。

ドラマ『小麦とバターと復讐と』第4話 野崎ミチル(伊原六花)

ここで筆者が注目したのは、ミチルが焦げてしまったパンを口にしたこと。彼女はそれを“失敗作”として切り捨てるのではなく、その苦味が持つ可能性を探りました。つまりミチルは、失敗を利用して別の答えを導き出そうとしたのです。そして、焦げたパンの苦味や食感を生かしたメニューをその場で思いつき、1度目の人生にはなかったメニューを提供することに成功します。

ちょっとしたアイデア次第で料理も人生もガラッと変わることがある。料理バトルには調理の制限時間があります。しかし、失敗したからといって、その瞬間に試合終了となるわけではありません。残された時間を使って、納得できるところまでやり切れるかどうか。これは料理に限らず、私たちの人生にも通じることではないでしょうか。

ドラマ『小麦とバターと復讐と』第4話 野崎ミチル(伊原六花)

ちなみに調理をやり直そうとするミチルに対し、カナエは「ちょっと何しているんですか、もう無理ですよ」と再挑戦を阻もうとします。しかし、料理教室の先生・伊能優吾(七五三掛龍也)は「まだ終わっていません」とミチルを後押しします。結局のところ、自分の可能性を狭めてしまうのは、失敗そのものではなく「もう無理だ」と決めつけて諦めてしまうことなのかもしれません。

ドラマ『小麦とバターと復讐と』第4話 伊能優吾(七五三掛⿓也)

ドラマ『小麦とバターと復讐と』第4話 杉本カナエ(寺本莉緒)

ドラマ『小麦とバターと復讐と』第4話 ハルナ(トラウデン直美)、伊能優吾(七五三掛⿓也)、稲垣ナツコ(小林きな子)、戸倉サツキ(烏森まど)

◆『極みの料理人』という料理番組から感じること

ちなみに、この『極みの料理人』の番組スタイルや演出を見て懐かしい気持ちになった視聴者も少なくないのではないでしょうか。1999年までの約6年間フジテレビ系でレギュラー放送された料理対決バラエティー番組『料理の鉄人』を彷彿(ほうふつ)とさせる場面が随所に見られました。こうした演出を単なるオマージュとして楽しむのもいいのですが、『小麦とバターと復讐と』の“過去をやり直す”というテーマに結びつけて深読みするのも、ドラマ鑑賞の醍醐味(だいごみ)かもしれません。

ドラマ『小麦とバターと復讐と』第4話 杉本カナエ(寺本莉緒)、野崎ミチル(伊原六花)

ミチルが2年前にタイムリープして過去の出来事を追体験しているように、『料理の鉄人』をリアルタイムで楽しんでいた視聴者もまた、『極みの料理人』を通して当時の記憶を呼び起こされたのではないでしょうか。つまりミチルだけでなく、視聴者もまた、ほんのひととき過去へとタイムリープするのです。そんな“遊び心”を交えながら、このオマージュ演出を楽しむのもいいかもしれません。
また第4話では、ミチルが元々のメニューにアレンジを加えて新たな可能性を見出しました。それはかつての人気番組にも当てはまる気がします。時代や作品に合わせたアレンジによって、かつての魅力が違った形でよみがえるわけです。少し話はそれますが、2026年には反町隆史さん主演の『GTO』(カンテレ・フジテレビ系)が28年ぶりに新作連続ドラマとして放送されました。また、2001年に映画が大ヒットした『ウォーターボーイズ』も、2027年7月にフジテレビ系で連続ドラマとして放送されることが発表されました。近年、こうした過去の人気ドラマや映画をリメイクやリブートする動きが世界的に流行しています。
今回の『小麦とバターと復讐と』のオマージュ演出からは、優れたものは過去の思い出として残るだけではなく、形を変えながら時代を超えて人々を魅了し続けるのだと改めて感じました。大切なのは、元々の持ち味をどう生かすかということ。 焦げてしまったパンも、その苦味に目を向ければ、別の料理としてよみがえらせることができる。ミチルが料理を通して見せた発想と、今回のオマージュ演出には、そんな共通点があるように思います。

ドラマ『小麦とバターと復讐と』第4話 杉本カナエ(寺本莉緒)、野崎ミチル(伊原六花)

文:田辺ユウキ
芸能ライター。大阪を拠点に全国のメディアへ寄稿。お笑い、音楽、映画、舞台など芸能全般の取材や分析の記事を執筆している。
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