食べてみよか

「独り占め」わかぎゑふの料理コラム✨

2025.06.30

「独り占め」わかぎゑふの料理コラム✨

独り占め

 私たちが子どもの頃に周りの大人から口酸っぱく言われたことのひとつに「道の真ん中を歩くな」という教育がありました。世の中には急いでる人もいる。道を独り占めして真ん中を歩いていたら、人が迷惑するから端を歩きなさいという教えです。
 それが身に染みているせいか私は家の中でも廊下の真ん中を歩きません。誰もいないのにアホやなと思う時もありますが癖になってしまっているのでしょうね。だからなのかもしれませんが、最近やたらと道の真ん中を歩いてる若者が気になります。みんな堂々とど真ん中を歩いてますよねぇ。

 スマホで動画を見たり、ゲームをしているのかもしれませんがダラダラと歩いてる子が多くて本当に困ります。また友達としゃべりながら歩いてる子たちも多いです。君たちは授業終わりでリラックスしたいのだろう、それは分かる!けど急いでる時などは後ろから「頼む!どっちかに寄ってくれ」と思うわけです。
 またカップルとすれ違うと大抵2人がくっついてて離れようとしてくれないのでこっちが道を譲る場合もあります。その時に軽くお辞儀をする人もいます。その場合はまぁ許せますが、当たり前のように歩いていく2人だと「おいおい、どんだけ仲ええか知らんけど、すれ違う時に縦に一列にもなられへんほどくっつかんでもええやろ」とおばさんは内心でやさぐれるのです。心狭いなぁと私も反省しますが。

 最近SNSなどで観光に来たインバウンドが「日本人は礼儀正しい。電車から降りてくる人を優先してから乗るとか、きちんと並ぶ」などと絶賛してくれてる記事をよく目にします。それができるのに道の真ん中歩くな〜!と声を大にして言いたくなります。街は他者と共有する場であって家の延長ではないのですから。

 そうそうデパートなどのガラスのドアを開ける時もよく思いますが、向こう側に人が同時に立つと大抵の人が先には開けません。私はそれが面白くて必ず先に開けて「どうぞ」と言って相手を通すことにしています。
 すると向こうは驚いて「あ、どうも」とか「ありがとうございます」と言って通ります。「いえ、お先に通ってください」とまで言う人はいませんが、少なくとも会釈くらいはして通ります。
そんな時、人間は親切にされると自然と感謝するようにできているのだなと感じます。
 道を歩くという最も当たり前のことにも感謝の念を忘れないように端を歩けと言ってくれた昔の大人は本当にすてきでした。私たちも大いに反省して若者に伝えないといけないなぁと思います。ちょっと遅いけど、今からでもやろうと思う今日この頃です。

 そんなイライラもこの暑さのせいかもしれませんね。いよいよ本格的な夏に突入すると思うと「はぁ〜また今年も35度超えの日々が続くのか」とめまいを感じますが、仕事終わりで冷えたビール、酎ハイ、ハイボールが待ってると思うと、それも乗り切れます。
 暑さで食欲も落ちがちですが、そんな私たちを救ってくれるのがスパイシーな一品です。作り方は例よって簡単ですのでご安心を!

カレー風味の粉ふき芋/わかぎゑふの料理コラム

【カレー風味の粉ふき芋】

(材料)
・ジャガイモ(大きさによりますが、小ぶりのものなら10個くらい)
・塩
・カレーのルーひとカケ

(作り方)
①ジャガイモは芽があったら取り、皮ごとゆでます。
②カレーのルーは包丁でみじん切りにしておきます。
③ふた付きの鍋でお湯を沸かし、ジャガイモを入れ竹串がスッと通るくらいにゆでたら、
  鍋のふたでお湯を切り、塩を振ります。
④そして鍋のふたを押さえて、中のジャガイモに塩が満遍なくまとわりつくように何回か振ります。
⑤5分ほど置くと、普通の粉ふき芋の出来上がりですが、ここにカレーのルーの粉を入れてさらに振ります。

ふたを開けてルーの塊がある場合は箸で混ぜてください。
夏らしいカレー風味の粉ふき芋の完成です。熱々でも、冷めてもおいしくいただけます。
わかぎ ゑふ(劇作家・演出家)大阪府出身。
関西小劇場界の老舗劇団、「リリパットアーミーII」2代目座長。
芝居制作処、玉造小劇店の代表。
大阪弁のオリジナル人情劇を数多く手掛けている。古典への造詣の深さも有名で
落語、歌舞伎、新作狂言の作、演出や衣裳デザインなども手掛ける。
小劇場から大劇場まで縦横無尽に活躍する数少ない女性演出家の一人。
エッセイも多数出版。2023年には大阪市民表彰を受賞した。
miyoka
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