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【気になるニュース】さゆり’s eye(newsランナー解説デスク)

2024.02.05

【気になるニュース】さゆり’s eye(newsランナー解説デスク)
防災を考える
元日に起きた「能登半島地震」から1か月。
厳冬の被災地では、水道や道路などのインフラがなかなか復旧せず、未だ多くの人が不便な生活を余儀なくされています。ようやく一部の自治体でボランティアの受け入れが始まったことは、被災地の方々にとって日常を取り戻す第一歩かもしれませんが、完全な復旧にはまだまだ時間がかかりそうです。

今回の震災を受けて、多くの人が改めて防災意識を持ったことと思います。
私も用意していた避難リュックを久しぶりに開けて内容物や非常食の賞味期限を再確認したところです。
特に幼い子どもの避難用品は、服のサイズや必要なおもちゃなどが成長に伴って変化するので、こまめにチェックしておかねばと痛感したところです。

先日、大阪南港のインテックス大阪で「メディカルジャパン」という大規模な展示会が開かれました。病院や介護現場での最新技術や商品が一堂に集められますが、今回は災害に特化した企業の展示ブースもあるとのことでしたので、取材してきました。
いくつか気になった商品をご紹介します。
缶詰サプリパン(ミタニHD)
その名の通り“缶に入ったパン”とのことで、5年という長期間の保存がきくだけでなく、GABAというアミノ酸の一種が配合されているのが特徴です。GABAには、緊張やストレスなどをやわらげて、脳の興奮を鎮める働きがあると言われていて、睡眠の質を高めたり、血圧を下げたりする機能もあるそうです。代表によると、東日本大震災の教訓から、災害時の過度なストレスを和らげる効果がある商品を作りたいと開発されたそうで、味にも自信があるとか。非常時だからとなおざりにせず、せっかくなら少しでも栄養があるものを摂取できたらありがたいですよね。GABAの入った保存食は国内でも類はなく、能登半島地震の発生後もインターネットでの売り上げが伸びているそうです。
お次は非常用の食器折り紙」(アーテック)
見た目も触った感じも柔らかくて“折り紙”そのものなのですが、紙には特殊な耐水加工がされていて水に強く、様々な形に折ってコップにしたり、お皿にしたりと工夫次第でいかようにも使えます。繰り返し何度も使えて、さらに紙に文字を書いて伝言用紙のようにも使えるそうです。5枚入って200円と価格もお手頃で、嵩張らないので非常用バックにたくさん入れておけるのもうれしい商品です。
開発した会社は業界最小サイズに折りたためる防災ヘルメットや仮設トイレキットなどといったアイデア商品を多数手掛けていて、見ているとあれもこれもと常備したくなる代物ばかりでした。災害現場のニーズにあわせて避難用品もどんどん進化しています。
ちなみに、会場でひと際注目されていたのが救急車。
関西の民間救急会社「アンビュランス」が実際に使用している救急車両です。
民間救急は、医療機関や個人の顧客から依頼を受けて患者を有料で搬送するサービスを提供していて、コロナ禍以降その認知度も高まっています。
救急医療現場では人手が足りず、民間救急の力を借りて迅速に患者を搬送しようと、一部の自治体では連携も進んでいます。今回の能登半島地震でも、発災後すぐに救急救命士の資格を持ったスタッフが車両とともに現地へ向かい、高齢者や入院患者の搬送などを行ったそうです。
災害にはどれひとつ同じ形はありません。
災害が起きるごとに様々な課題が浮き彫りになります。防災と一口に言っても地域や家庭によって異なりますが、いまできうる限りの備えを、できるときにしておくことが大切ですね。
miyoka
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