2025年4月13日(日)に開幕する、大阪・関西万博。
奇想天外な形のパビリオンやあちらこちらに設置されたフォトスポットなど立ち寄り先がたくさんですが、それらと共存しているパブリックアートを紹介します。
現代アートの国際フェスティバル「Study:大阪関西国際芸術祭2025」が、安藤忠雄氏設計の大阪文化館・天保山、黒川紀章氏設計の大阪府立国際会議場(中之島)、さらに西成・船場エリア、70年万博開催の万博記念公園にある国立民族学博物館(黒川紀章建築)など、大阪を象徴する各地で4月11日から展開されています。
そして、大阪・関西万博の開催期間中には夢洲の万博会場で13人のアーティストによる作品が野外展示。一部を紹介しますので、パビリオン間を移動するときにちょっと気にしてみてください。
森万里子 ≪Cycloid Ⅲ≫(2015)
夢洲駅から来る人にとっては会場入り口となる東ゲート近く、大屋根リングを背景に展示されているのは森万里子さんの作品≪Cycloid Ⅲ≫(2015)。Cycloid(サイクロイド)とは円が直線上をころがるときに、円周上の一点が描く線のことで、森さんはこの作品で、始まりも終わりものない宇宙の躍動を表現しているそうです。
作品のらせんにそって視線を上に動かしてみると大屋根リングの円とつながって見えます。
COOK ≪WORLD EXPO 2025≫
次に東ゲートゾーンの休憩所の壁面に大きく描かれたミューラルアートは世界で活躍するアーティストCOOKさんの作品。ミューラル(mural)とは、建物や洞窟の壁や天井などに描かれた絵画のことで、街を彩る大規模なアート作品を指します。許可を得ているストリートアートともいえます。大阪出身でロサンゼルスでの活動経験を持つCOOKさんはストリートの枠を飛び出し、adidasやアパレルブランドとのコラボなどその活動の幅が広く大人気アーティストです。
この壁画《WORLD EXPO 2025》は「世界中の人が仲良く平和に生きられるように」という願いを作品化。虹はSDGsを、たくさんの花は多彩な国々を表現したそうです。
ハシグチリンタロウ ≪anima harmonizer≫
会場の南のウォータープラザ西側、フードコートやお土産売り場やコンビニが入る「ウォータープラザマーケットプレイス東」の建物の2階の壁にはハシグチリンタロウ氏の書のアート≪anima harmonizer≫。書家・井上有一の「書は万人の芸術である」という考え方に影響を受け、書に取り組んでいるそうです。
背景はアルミの上に亜鉛を溶かして吹き付けてできている。そこにウレタンペンキを含ませたタオルで全身を使って3時間描き続けたそう。
奥中章人 ≪Cocooner≫
エンパワーリングゾーンの団体休憩所の前に謎の輝くフィルムの巨大風船。これは美術家・奥中章人さんの作品《Cocooner》。
空気と光と水を使った作品で、バルーン内部に入ることができます。靴を脱いで2枚のカーテン扉をくぐりながら進むと、中は広いドーム状に。床には2トンの水が入った巨大な水枕があり、そこに寝転がるよう促されます。恐る恐る横たわると、耳元で水が動く音が聞こえ、他人の動きに合わせて水が動き、心地よい振動が体を伝わります。いつまでもここで過ごしていたくなるほどリラックスできます。
ミヤケマイ ≪水心≫(2025)
万博会場の中心部「静けさの森」の休憩所+トイレエリアの壁には美術家・ミヤケマイさんの作品≪水心≫(2025)が。
休憩所には大きな網状の屋根があり、このネットが大阪港を表しているとのこと。それを受けて海中に住むタコを中心とした海洋生物をガラスモザイクで制作。太陽光の加減で壁に網目模様の影ができることから、時間帯によってはタコが網にかかって見えるのが面白い作品です。
その他、今注目を浴びるヘラルボニーの田﨑飛鳥さんなど現代を代表するアーティストたちの作品が点在しています。
万博を訪れた際には野外アートにも注目してみてください。
https://osaka-kansai.art/
カンテレIDにログインまたは新規登録して
コメントに参加しよう