古き良きバブル時代の最後の一滴「日産・ラシーンフォルザ」
我が家の車は1999年に買ったので、すでに26年も乗っているオールドカーと言ってもいいでしょうか。日産のラシーンフォルザという車種で、家を建てた時に新車として買いました。
それまで車は数年に一度買い替えていたので、この車も長く乗るつもりはありませんでした。
そのうちハイブリッドカーか、電気自動車の世の中がすぐ来るだろうと思っていたので、デザインが気に入ったのが出たら乗り換えるつもりでした。
ところが…この26年の日本の不景気からか、新車もそんなに頻繁に出なくなり、おまけに目を引くデザインにすぐれた車がすっかり売られなくなりました。
担当さんに言わせると「ラシーンは古き良きバブル時代最後の一滴みたいな車なんで、もうこんなおしゃれな車は出ませんねぇ」とのこと。
そんなおしゃれやったんか?とも思いますが、似たような感じの車ばかり走ってるのを見ると、確かにうちの車は目を引きます。
カセットテープもCDも聞ける我が相棒
とはいえ26年前の車なので、未だにカセットテープが聞けたりします。以前、古典芸能の方とお仕事をしたときに音源がカセットテープで送られてきて「え?カセットやん。どこで聞けちゅうねん?」と焦ったのですが、そうだラシーンの中で聞ける!と思い出して、車を走らせて聞いたこともありました。あ、一応CDも聴けます。
当然ナビも付いてない時代の車なので、外付けのを買って使っていたのですが、遠出をしないこともあってそんなに困った経験もありません。
それに最近は携帯のナビが発達してるのでそれに頼ってます。今はドライブレコーダーを買わなきゃなぁとぼんやり考えているところです。
長く乗っているといっても、買い物や、芝居の現場があるときに劇場まで荷物を運んだりする程度なので26年も乗ってるのに、まだ4万キロくらいしか走ってない新古車みたいな一台なのです。
また、この車種はファンが多いらしく、なんとラシーン館というラシーンだけをカスタマイズして売っている中古車の会社もあるそうです。私はあまり物に執着しない人間ですので、車は便利に使うものとして認識してますが、やはり長く乗ってると情が湧くもので、我が家も売るときはラシーン好きの人に買ってもらおうと決めています。
「海老蔵」を楽しみに待つ日産の人
ところで我が家は車に名前を付ける習慣があります。
というのも劇団などで、荷物を分散させて運ぶときに車種を言っても、普段乗らない人には通じないことも多く、また「〇〇さんの車」といちいち言うのも面倒くさいからです。
ということで、我が家のラシーンは色がメタルオレンジなので「海老蔵」と呼んでいます。
ちなみにこれまでに白くて丸いデザインだったので「雪小丸」、黒くてシャープな「新之助」、色合いが紺色っぽい青だったから「青龍」、会社の営業車っぽかったので「昭和丸」などの車が居りました。
劇団の会議などでも「衣装は全部、海老蔵に乗せます」なんて発言が飛び交ってるわけです。
その海老蔵が今年は車検でした。日産の人が取りに来てくれた時に「工場の皆があのラシーンが来るって楽しみにしてます」と言ったのを聞いて、そうか今の社員さんはもう見たことない人が多いのだなと改めて思いました。
自分の持ってる物がレトロな貴重品になる…うれしいような、複雑な気分ですが、ここまで来たので海老蔵には出来るだけ長く大切に乗ろうと思ってます。
レトロとでつながる 夏バテ防止の定番は「ウナギ」
さて、今年も猛暑ですね。皆様体調管理をシッカリとなさってください。暑い時ほどしっかり食べる、それが一番です。レトロと言えば昔から日本人の夏バテ防止の定番はウナギです。
今日はスーパーのウナギをおいしく食べるひと手間をお伝えします。とても簡単ですのでぜひやってみてください。そしてぜいたくにひとりで1匹を丸々食べちゃいましょう!
(材料)
・ウナギのかば焼き1匹
・日本茶のパック1つ
・きゅうり、みょうが、ショウガ、卵、三つ葉、山芋など
【かば焼き】
(作り方)
① フライパンに日本茶のパックを一袋入れてひと煮立ちします。
② そこにスーパーなどで買ってきたウナギを切って入れ、2分くらい中火で煮ます。
この手間だけでウナギがフワフワになり、食感が激変します。
あとは水分を切ってキッチンペーパーで拭き、改めてオーブントースターなどで2分ほど焼き直し、
市販のタレをかけてください。
③ おすすめは最後の一切れをウナギ茶漬けにして食べることです。
<ポイント>ウナギはまずお茶で煮出しを!
【うざく】
(作り方)
① かば焼き用に煮たウナギの端の部分を細かめに切ります。
きゅうり、みょうが、ショウガなどを千切りにして合わせましょう。
② お酢1、みりん1の割合で具材にふりかけたらさっぱりとした、うざくの完成です!
【ピンピン焼】
(作り方)
① これも、かば焼きのウナギを煮たら少し切り分けて使います。
フライパンに市販の麺つゆを入れて煮立たせたら、卵とすった山芋を混ぜ合わせて焼きます。
② そこにウナギとミツバ(お好みの野菜でOKです)を上から乗せるように入れ、
蓋をして2分ほど蒸し焼きにしたら出来上がりです。
★柳川風にするのならごぼうの千切りを麺つゆで煮てから卵と山芋を流し込んで、そこにウナギを乗せてください。
★あとはウナギの切れ端を利用してう巻きを作ってもおいしいです。
1匹で何通りも楽しめるウナギ三昧ぜひお試しください!
わかぎ ゑふ(劇作家・演出家)大阪府出身。
関西小劇場界の老舗劇団、「リリパットアーミーII」2代目座長。
芝居制作処、玉造小劇店の代表。
大阪弁のオリジナル人情劇を数多く手掛けている。古典への造詣の深さも有名で
落語、歌舞伎、新作狂言の作、演出や衣裳デザインなども手掛ける。
小劇場から大劇場まで縦横無尽に活躍する数少ない女性演出家の一人。
エッセイも多数出版。2023年には大阪市民表彰を受賞した。
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